2020 Fiscal Year Research-status Report
Combinatorics of graphs, posets, matroids, and finite discrete structure and their applications
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19K03598
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
佐野 良夫 筑波大学, システム情報系, 准教授 (20650261)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | グラフ / ポセット / マトロイド / 離散構造 / 組合せ論 / 最適化 / アルゴリズム |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、主に、半順序集合上のマトロイド的構造の1つであるポセット・マトロイドについての研究を進めた。1990年に E. Tardos が与えたポセット・マトロイドに対する交差定理と関連して、ポセット・マトロイドの基階数関数についてその性質や特徴づけについての研究を行った。 それから、2021年3月に開催された日本数学会の応用数学分科会において、「半順序集合上のマトロイド的構造とその周辺」という題目で特別講演を行った。半順序集合上に定義されるマトロイド的構造には、1972年に F. D. J. Dunstan, A. W. Ingleton, D. J. A. Welsh によって定義されたスーパーマトロイド、1980年に U. Faigle によって定義された半順序組合せ幾何、1990年代に M. Barnabei , G. Nicoletti, L. Pezzoli によって研究が進められたポセット・マトロイドなどがあるが、それらの数理構造およびその上での最適化問題(最大独立集合問題、最大共通独立集合問題、最大独立マッチング問題など)に関して、既存の研究のサーベイを与えるとともに、現在進めている研究について講演した。 ポセット・マトロイドについて、その上の最適化問題のアルゴリズム的側面の研究を、来年度は重点的に進めていくとともに、さらに、いくつかの結果はポセット・マトロイドの一般化の1つにあたる凸幾何上のマトロイドにまで拡張することを試みる予定である。また、これまでに得られた結果を論文の形にしていこうと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
グラフ・ポセット・マトロイドと有限離散構造の組合せ論についての理論研究において、いくつかの研究成果が得られたため、研究はおおむね順調に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題の今後の推進方策としては、引き続き、グラフ・ポセット・マトロイドと有限離散構造の組合せ論についての理論研究を行うとともに、その応用についての研究も進めていくことで、研究課題に関する研究成果をさらに出していけるよう推進していきたいと考えている。
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