2021 Fiscal Year Research-status Report
Combinatorics of graphs, posets, matroids, and finite discrete structure and their applications
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19K03598
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
佐野 良夫 筑波大学, システム情報系, 准教授 (20650261)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | グラフ / ポセット / マトロイド / 離散構造 / 組合せ論 / 最適化 / アルゴリズム |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度の研究成果は以下の通りである。 (1)スペクトラルグラフ理論の研究を行った。符号付きグラフとは無向グラフの各辺に+または-の符号をつけたものである。符号付きグラフの符号付き隣接行列とは、頂点で添え字づけられた正方行列で、対角成分は0、非対角成分の+の辺には+1、-の辺には-1、辺のない頂点対には0を持つような行列である。本研究では、符号付き隣接行列の最小固有値が-2よりも大きく最小次数が十分大きい連結な符号付きグラフは、完全グラフにスイッチング同値であるという定理を示した。これは符号なしグラフに対するホフマンの定理の符号付きグラフ版といえるものである。その証明は、ホフマンの極限定理をエルミート行列に対しての定理へと拡張し、またホフマン・グラフと一般化ライングラフの概念を符号付きグラフへと拡張し、ホフマン符号付きグラフ、ライン符号付きグラフを考えることにより与えた。 (2)アルゴリズム的ゲーム理論・メカニズムデザイン分野における問題を扱った。本研究では「非可分財」を財への選好を持つ個人への貨幣を用いない効率的かつ公平な分配方法についての研究を行った。2018年, 2019年の我々の研究において、2001年に Bogomolnaia & Moulin より与えられたランダム割当問題に対する割当メカニズムが、財に劣モジュラ制約があるようなより一般的な問題に拡張できることを示したが、本研究では、さらに各個人の財への選好に同順位を許した場合にも拡張できることを示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
グラフ・ポセット・マトロイドと有限離散構造の組合せ論についての理論研究において、いくつかの研究成果が得られたため、研究はおおむね順調に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題の今後の推進方策としては、引き続き、グラフ・ポセット・マトロイドと有限離散構造の組合せ論についての理論研究を行うとともに、その応用についての研究も進めていくことで、研究課題に関する研究成果をさらに出していけるよう推進していきたいと考えている。
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