2020 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
19K03599
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
新井 敏康 東京大学, 大学院数理科学研究科, 教授 (40193049)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 順序数解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、(1)専門書(Ordinal Analysis with an Introduction to Proof Theory, Springer, 2020と数学基礎論 増補版, 東京大学出版会, 2021)の執筆および出版と、(2)S. Wainer, A. WeiermannらとGoodstein列の拡張による独立命題の研究、そして(3)強い集合論の証明論的順序数の研究を行った。 (1)は数年前から継続して行ってきた執筆を完成させて出版したものである。洋書は、順序数解析の要諦をまとめた専門書である。逆数学で扱う体系を含み、しかもいくつかの新しい結果と証明を含んでいる。後者の和書は、以前に岩波書店から出版された専門書を増補、改訂して成ったものである。増補された部分は、不完全性定理や独立命題に関する節などに関わる。 (2)の研究において得られた研究成果の一つは論文として出版されて、もう一つのより強い結果は、現在、研究誌に投稿中である。どちらも自然数の新しい表記、特に急成長関数を用いた自然数表記を用いた独立命題である。 (3)で扱っている集合論は、まず1階論理式に対する反映順序数をモデルにもつもので、その結果は本年、研究誌において出版された。現在、投稿中のものは、より強く、射影できない順序数をモデルにもつ集合論に関するものである。その結果は、順序数解析としては新しい段階に入ったものである。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コロナ禍の中で、海外出張を行うことができず、欧米の研究者と議論する機会を失っているが、国内に留まって、かえって自らの大きな研究課題に向き合うことができたため。
|
Strategy for Future Research Activity |
より強い集合論の順序数解析、特に射影できない順序数が非有界に存在する集合論の順序数解析へ進む。
|
Causes of Carryover |
コロナ禍により海外出張ができなかったため。
|