2021 Fiscal Year Research-status Report

部分構造論理における結合則の族の階層性

Research Project

Project/Area Number	19K03600
Research Institution	Niigata University
Principal Investigator	関隆宏新潟大学, 経営戦略本部, 准教授 (30380546)
Project Period (FY)	2019-04-01 – 2023-03-31
Keywords	結合則を持たない部分構造論理 / 結合則の族 / 構造規則
Outline of Annual Research Achievements	古典論理や直観主義論理に対するシーケント計算における構造に関する規則（weakening，contraction，exchange）のいくつかを取り除いたり，新たな公理を加えたりすることにより得られる部分構造論理の多くの研究では，（fusion に関する）結合則を仮定している。本研究では，「結合則を持たない部分構造論理」におけるさまざまな論理的性質の考察を通じて，部分構造論理における「結合則とその族」の階層性を解明することを目的としている。本年度は，exchange に関わる結合則の族を中心に証明論的観点から考察した。Exchange に関わる結合則の基本的な推論規則に対応する論理式群（ゲンツェン流とヒルベルト流の対応）を明らかにするとともに，結合則の導出可能性（結合性）や exchange の導出可能性（可換性）の観点から各推論規則を分類した。また，exchange に関わる結合則を複数持つ論理について，論理の強弱，同等な論理の検討を通じて，exchange に関わる結合則を持つ部分構造論理の階層性の一部を明らかにした。この過程で，命題定数に関する条件が，同等な論理の決定に際して大きな影響を与えていることが分かり，新たな検討課題が示された。さらに，結合性や可換性の観点の導入に関わって，「結合的weakening」と「結合的contraction」を持つ論理の結合性や可換性についても検討できた。これらの結果を国内学会・研究会で4回発表した。
Current Status of Research Progress	Current Status of Research Progress 3: Progress in research has been slightly delayed. Reason 本年度は，認証評価に係る過大な業務負担や，オンライン授業の準備・対応でも多くの時間を割かざるを得ず，研究を遂行するための時間を十分に確保できなかった。そのため，本年度予定していた，「結合則を持たない部分構造論理」や「結合則の族」の一部を持つ論理の階層性を明らかにすることについて，部分的な結果しか得られていない。
Strategy for Future Research Activity	「結合則を持たない部分構造論理」や「結合則の族」の一部を持つ論理のさまざまな論理的性質を明らかにした後，「結合則の族」の階層性の一部を明らかにする。また，当初の研究計画とは異なるが，本年度の研究で用いた「結合的weakening」，「結合的contraction」，「結合的exchange」に着目した研究を進めることにより，当初の想定に近い研究成果が得られるようにする。研究成果の発表や情報・意見交換，関連分野の状況を把握するため，国内の学会・研究会等に参加する。
Causes of Carryover	新型コロナウイルス感染症拡大の影響により，学会・研究会等がオンライン開催されたため，旅費の支出がなくなったことに加え，認証評価に係る当初の想定を大幅に超える業務負担により研究の遂行が遅れたため，英文校正に係る費用の支出が完了できなかった。以上については，各種評価対応業務が落ち着くと予想される2022年度の後半以降対応する予定である。