2020 Fiscal Year Research-status Report
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19K03603
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
藤田 慎也 横浜市立大学, データサイエンス学部, 准教授 (60424206)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 辺着色グラフ / グラフの分割問題 / グラフの次数条件 |
Outline of Annual Research Achievements |
この年度における主要な研究実績としては、以下に記述する2つの話題に関する研究成果があげられる。一点目は、本研究課題の中心的テーマである辺着色されたグラフにおけるoptimal proper connection numberというグラフの色数とある良い性質をもつ辺着色を実現するための手間にかかわる新しいタイプのグラフパラメータに関する研究成果である。この年度では、基本的なグラフクラスにおいてそのパラメータの値を決定した単著論文Optimal proper connection of graphs. Optim. Lett. 14(6): 1371-1380 (2020)が掲載された。 二点目は、グラフの安全集合という概念についての研究成果で、成果をまとめた論文Stable Structure on Safe Set Problems in Vertex-Weighted Graphs II -Recognition and Complexity-. WG 2020: 364-375(Boram Park氏、佐久間雅氏との共著論文)が掲載された。本科研費における研究課題は、辺着色グラフの分割問題に関する研究テーマであるが、optimal proper connection numberに関する研究成果はグラフの辺着色構造についての新しい知見を与えるものであり、グラフの安全集合に関する研究成果は密なグラフの部分構造の把握に貢献する研究成果である。このように幅広い視点から、この年度では当該研究課題に対して着実な研究成果を積み上げることが出来た。 得られた研究成果については、日本数学会年会および秋季総合分科会において成果報告を行った。また、2020年12月に開催された応用数学合同研究集会では、運営にかかる費用の一部を本科研費から支出することにより、当該研究に関連した研究を推進する研究協力者たちの学術交流の機会提供についても微力ながら貢献した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実績の概要で述べたように、多角的視点から着実な研究成果をあげられているため、研究はおおむね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度と同様に、コロナウィルスの影響で国際会議の参加や海外の研究者訪問がなかなか実現しずらい環境ではあるが、EメールやZoomによる遠隔ミーティングを活用することで共同研究者たちと継続してディスカッションを行い本研究をなるべく当初の研究計画通りに推進する予定である。
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Causes of Carryover |
コロナ禍の影響で予定していた研究集会・研究打合せが次々とキャンセルされたために、次年度使用額が生じてしまった。それらの研究集会・研究打合せについては、コロナ感染の状況を見極めた上で次年度に再開される可能性があるため、使用計画として再開される会合に参加するための旅費を想定している。
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Research Products
(8 results)