2022 Fiscal Year Research-status Report
Large cardinals, determinacy, and the analysis of the Chang+ model
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19K03604
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Research Institution | Shibaura Institute of Technology |
Principal Investigator |
池上 大祐 芝浦工業大学, 工学部, 准教授 (20747208)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 数理論理学 / 集合論 / 巨大基数公理 / 無限ゲームの決定性 / 記述集合論 / 決定性公理 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、自然数を一般化した無限の数・無限基数と、チェス・囲碁・将棋といった二人でプレーするボードゲームを一般化した無限ゲームの関係について考察する。本研究はNam Trang助教との共同研究である。2022年度は以下の結果が得られた: 1.ZF+ADを仮定すると、実数直線上のどんな非自明な順序集合による強制拡大もADのモデルにならない。 2.ZF+AD^+ +V=L(P(R))を仮定し、順序数Θが正則基数であるとする。このとき、Θ上の順序集合で、新しいΘの部分集合を付加し、ADを保存する(つまり強制拡大がADのモデルとなる)ものが存在する。 上記1.の結果は、ChanとJacksonが提示した問題の肯定的な解決、上記2.の結果は、Cunninghamが提示した問題の肯定的な解決となっている。 また、本研究と関連して、Philipp Schlict博士との共同研究で、選択公理を仮定しないZFの下での反復強制法の一般論について考察した。その際、c.c.c.という順序集合の基本的な性質を一般化するuniformly narrowという概念を導入し、a) uniformly narrowな順序集合がZFの下で基数を保存すること、b) uniformly narrowな順序集合たちの有限台反復強制法が再びuniformly narrowとなることを証明した。上記 a), b) の結果を用いて、選択公理を仮定しないZFの下での基数普遍量についてのいくつかの成果も得られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2022年度の研究実施報告書で述べた「8.今後の研究の推進方策」については、実数を付加しつつ決定性公理を保つ強制法が存在するかどうかの研究については、大きな進歩は得られなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度の研究実施報告書内の「8.今後の研究の推進方策」で述べた、実数を付加しつつ決定性公理を保つ強制法が存在するかどうかの研究について、当初の動機の一つであった、ジェネリックな初等埋め込みj:V->V[G]で、VがADのモデルで、jの臨界点がVのω_1となるものが存在するか、という問題を再考する。その際、Vにおいて、ω_1が超コンパクト基数になっている場合を考え、ω_1の超コンパクト性について本研究で得られた成果を適用することを試みる。
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Causes of Carryover |
コロナ禍に伴い、予定していた海外出張、海外研究滞在を遂行することができなかったため。 次年度は、本研究のために国際研究集会2つに参加し、その旅費を本研究比で支払う予定である。
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