2023 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
19K03615
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Research Institution | Chiba Institute of Technology |
Principal Investigator |
竹内 知哉 千葉工業大学, 数理工学研究センター, 主席研究員 (90508277)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 正則化 / Tikhonov 正則化 / Morozov 原理 / 非線形最適化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度はMorozov原理を拡張した正則化パラメータ決定の族によるパラメータ決定について前年に引き続き考察した.Morozov原理はノイズレベルに合わせて正則化パラメータを選択する方法である.Morozov原理をTikhonov汎関数に対する値関数から定まるハイパーパラメータ付きの関数の最小化問題として表現することができる.ハイパーパラメータが1の場合が通常のMorozov原理に対応し,ハイパーパラメータ無限大の極限がMorozovによるcriterion phiと呼ばれるものに一致する.このハイパーパラメータから定まる値関数はハイパーパラメータに関して単調に減少するが,あるハイパーパラメータの前後で減少率が急激に下がる.その点を最適なハイパーパラメータとしてMorozov原理によって,より精度のよい正則化解を与える正則化パラメータを決めることができることが期待される. 本年度は上記の内容に加えて最適潮流計算を題材に非線形最適化問題について考察した.具体的には変圧器リアクタンス近似モデルとして2次多項式を採用した場合の準ニュートン法とニュートン法によるACOPFの性能について,東京エリア上位2電圧系統を対象に比較した.また,混合整数計画問題として定式化されるSecurity-Constrained Unit Commitment(SCUC)において,各時間断面における電圧,無効電力,調相設備といった系統運用上の条件を考慮した運用計画へ修正するために,交流法最適潮流計算(ACOPF)モデルの開発を行った.さらにACOPFで得られた結果をフィードバックしてSCUCを修正する反復計算を行うSCUCとACOPFの連携計算により,SCUCにおいて送電損失や系統運用上の電圧などの制約事項と経済性を両立させた計画を作成する一連のスキームを開発した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
他のプロジェクトに想定以上に時間とリソースが割かれてしまい本研究の時間を確保することが困難であった。
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Strategy for Future Research Activity |
Morozov原理を拡張した正則化パラメータ決定手法の研究を継続し、具体的な問題を通じて手法の有効性を検証する。
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Causes of Carryover |
当初予定していた海外出張が他の用務により実現できなかったため。 計画していた海外出張をすべて年度内に実行することは困難であるため出張回数を2回程度にとどめ、研究用計算機の購入に充当する。
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