2019 Fiscal Year Research-status Report
シュレーディンガー方程式および波動方程式の非線形性同定逆問題の研究
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19K03617
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
渡邊 道之 新潟大学, 人文社会科学系, 准教授 (90374181)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 逆問題 / 非線形シュレーディンガー方程式 / 散乱理論 / 多粒子系 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度に実施した研究の成果は、量子力学における同種粒子のN体逆散乱問題をハートリー・フォック近似を用いて、散乱粒子のデータから粒子間の相互作用ポテンシャルを一意的に決定できることを証明したことである。ハートリー・フォック方程式は積分型の非線形項をもつシュレーディンガー方程式であり、N体逆散乱問題はハートリー・フォック近似を行うことで、方程式の解の散乱状態から積分型の非線形項を決定する非線形逆散乱問題となる。今年度における成果は、本研究の目的である未知非線形項から方程式の解のデータの集合(散乱デー タ,または境界データ)への写像(非線形写像)の①単射性と③表現公式を明らかにすること,これらの中でも特に③表現公式の解析的な構成手続き (再構成手続き)を与えること、に対して積分型の非線形項を持つ方程式の場合に明らかにしたものである。 ハートリー・フォック近似は数値計算にもよく使われる近似法であるため、この近似法で再構成手続きを与えるに成功したことは、原子核物理などの他分野への応用の契機となり、研究がさらに広がりをもつことが期待できる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
研究計画初年度で具体的な再構成手続きを与えることに成功し、その研究成果が国際的に評価の高い査読付き学術雑誌に掲載された。
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Strategy for Future Research Activity |
①外部ポテンシャルにおける多粒子系の逆散乱問題について考察する。 ②非線形偏微分方程式の定常逆散乱問題を考察する。
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Causes of Carryover |
理由:新型コロナウィルス感染症拡大の影響により、参加予定していた研究集会および学会が中止となったため。 使用計画:新型コロナウィルス感染症拡大の影響を考慮し、遠隔による打ち合わせや研究集会参加のための機器備品の準備資金とする。研究資料の収集ができない場合、文献複製や取り寄せの資金に充てる。
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Research Products
(2 results)