2022 Fiscal Year Research-status Report
Development of linear solvers on max-plus algebra and its applications
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19K03624
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Research Institution | Shibaura Institute of Technology |
Principal Investigator |
福田 亜希子 芝浦工業大学, システム理工学部, 准教授 (70609297)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡邉 扇之介 福知山公立大学, 情報学部, 准教授 (80735316)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | max-plus代数 / 超離散化 / 固有値 / 超離散ハングリー戸田方程式 / 超離散ハングリーロトカ・ボルテラ系 / セルオートマトン / 超離散バーガース方程式 |
Outline of Annual Research Achievements |
固有値計算のためのqd法やdLV法の漸化式は離散可積分系として有名な離散戸田方程式や離散ロトカ・ボルテラ系と一致するなど,高精度な固有値計算アルゴリズムと離散可積分系との興味深い関係が知られている。以前の研究において,これらを超離散化して得られる超離散戸田方程式および超離散ロトカ・ボルテラ系,またそれらの拡張であるI型超離散ハングリーロトカ・ボルテラ系およびI型超離散ハングリー戸田方程式がmin-plus代数上の固有値計算アルゴリズムとして解釈できることを明らかにしていた。 2022年度はまず,上記のI型超離散ハングリー戸田方程式に関する成果を論文にまとめ,ソーティングアルゴリズムとの関連も再考し,現在,海外の論文誌に投稿中である。また,II型超離散ハングリー戸田方程式の行列表示や保存量,漸近挙動などの解析により,min-plus代数上のHessenberg行列の固有値を計算できることを明らかにした。さらに,I型超離散ハングリーロトカ・ボルテラ系とII型超離散ハングリー戸田方程式が対象としている行列の固有値同士の関係も明らかにしている。これらの成果は日本応用数理学会2022年度年会にて発表している。 一方,交通流モデルと解釈できるエレメンタリーセルオートマトンのルール184は超離散バーガース方程式で表現できることが知られている。コール・ホップ変換を通して関連するランダムウォークを相関付きランダムウォークに拡張することで新たな交通流モデルの導出に成功しており,研究成果をまとめた論文がJournal of Difference Equations and Applications誌に掲載されている。 また,本研究課題の主要なテーマであるmax-plus代数に関する入門的な教科書として知られる洋書「max-plus at work」の翻訳を行い,2022年12月に「max-plus代数とその応用」として出版されている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
min-plus代数上の固有値および超離散系に関連するセルオートマトンについての研究の進捗はおおむね予定通りであり,期待した成果が得られ,研究成果の公開を行っているため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は,II型超離散ハングリーロトカ・ボルテラ系や超離散二次元戸田方程式と関連するmin-plus代数上の固有値計算アルゴリズムについて検討する。また,保存量をもつファジーセルオートマトンについての研究も並行して進める。
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Causes of Carryover |
参加予定であった学会等がオンライン開催となり,想定していた出張旅費を使用しなかったため次年度使用額が生じた。次年度は主に研究分担者との研究打ち合わせや適切な学会等への参加のための旅費として使用する。
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Research Products
(7 results)