2022 Fiscal Year Research-status Report
study on discrete point sets to produce new applications of lattice theory and algebraic computation
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19K03628
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
富安 亮子 九州大学, マス・フォア・インダストリ研究所, 教授 (30518824)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 非周期的パッキング / メッシュ生成 / 偏微分方程式 / マルコフ理論 |
Outline of Annual Research Achievements |
まず、2022年度は、9月から1月末まで産育休を取得した。その影響から一部の研究発表等に関しては、次年度に持ち越された。特に今年度は、妊娠の時期の問題もあって学会は全てオンラインのみとなった。参加しやすいのはオンラインの良い点だが、安易に講演依頼が来る、聴衆の反応が分かりづらい、という点は良くない。 さて、2020年に本研究より発表した理論より、phyllotaxisの黄金角の方法は一般次元・一般曲面に適用可能となった。その結果、パッキング密度に具体的な下限を持つ点分布で、ドロネー図を生成したとき等面積性を有するメッシュを具体的に校正する方法が得られたことになる。 本年度は、主に偏微分方程式の解として明示的に得られるものに関して理論的な調査を実施した。偏微分方程式論は専門分野ではないが、順調に情報収取を行い、研究を進めることができた。加えて、専門分野に近い代数的な方向からの調査、理論の応用を具体的に形にするための調査を行い、日本応用数理学会年会(オンライン)での口頭発表を実施した。 別の代数の応用研究として、2012年に開発した誤差に安定なブラベー格子決定の方法に関して、Liverpool大におけるセミナー、国際会議ECMのサテライト(ともにオンライン)で招待講演を行った。開発したアルゴリズムは、これまで、結晶学の逆問題や数学の問題に適用されているが、近年、マテリアルズインフォマティクスの流行で、Liverpool大のグループがよく似た問題を調べているとのこと。数学では比較的数論に近い人が貢献してきた分野になるが、サテライトの発表に関してはIUCrジャーナルから publishされる論文も執筆し、サイエンス分野に対してのよいアウトリーチの機会となったと思う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2020年に本研究で発表した理論より、phyllotaxisの黄金角の方法は一般次元・一般曲面に適用可能となった。200年以上前からある、よく知られた方法が初めて一般化されたことで好意的な感想を言われることも多く、順調と言える。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度は産育休で講演をあまり実施できなかったので、2023年度は研究発表を多く行う予定。2020年の続編の論文も執筆中である。メッシュ生成・パターン生成に関わる問題を中心に応用の展開を行う。
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Causes of Carryover |
9月--1月末まで産育休を取得したこと、特に、出張ができなかったことが理由である。そこで研究を進めるため2023年度の支援員を雇用する予定である。
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