2020 Fiscal Year Research-status Report
Deformation and flatness of information geometric structure and their applications
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19K03633
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
小原 敦美 福井大学, 学術研究院工学系部門, 教授 (90221168)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 情報幾何 / 統計多様体 / 共形平坦化 / 二重自己平行 / ネットワーク非線形拡散 |
Outline of Annual Research Achievements |
情報幾何学では,リーマン計量について互いに双対的なアファイン接続のペアが様々な重要な働きを見せる.従ってこの二つの双対なアファイン接続に関して自己平行な部分多様体(以後,二重自己平行多様体と記す)も考えることができ,実際に数理科学の随所にしばしば現れるが,ほとんど研究されていない.昨年度はこのような特別な平坦性が有する興味深い性質とその応用について指摘する学会発表を行った.本年度は,引き続きこの方向に沿って,研究,アイデアの創発に努めるとともに,関連する資料収集,情報交換を行った. 一方,情報幾何の概念に関連する研究として,べき型非線形性を有するネットワーク上の拡散流の同期的な振る舞いについて,昨年度論文を発表した.本年度は,このべき型非線形性をより一般化したあるクラスの非線形ネットワーク拡散に関して研究を進め,今年度学会発表の予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
二重自己平行性に関する研究については,はかばかしい進展が得られなかった. 非線形ネットワーク拡散に関しては,大域的安定性を示すクラスを確定できれば満足のゆく成果となるところまで来ているが,現在のところ確定できていない. また,今年度に特別な学科運営業務の都合上,研究に多くの時間を必ずしも割けなかった.
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き二重自己平行性と共形平坦化について,労力と努力を注ぎ,当初の予定通りの方向へ向かう予定である. 非線形ネットワーク拡散についても懸案の問題に傾注するが,そもそも無理な問題設定かもしれないので,解決できなければ頃合いをみて成果発表を行う.
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Causes of Carryover |
コロナ禍の中,7月に参加予定していた海外での学会の中止を含めて,内外での学会・研究会が中止あるいは遠隔化に移り,旅費として計上していた予算が余った.また今年度限りの事情だが,学科運営管理職に多くの時間が割かれ,研究を思うように進めることができなかった. 今年度は,遅れを取り戻す予定である.
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