2022 Fiscal Year Research-status Report
Deformation and flatness of information geometric structure and their applications
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19K03633
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
小原 敦美 福井大学, 学術研究院工学系部門, 教授 (90221168)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 情報幾何 / 統計多様体 / 共形平坦化 / 二重自己平行性 / ネットワーク非線形拡散 |
Outline of Annual Research Achievements |
情報幾何学では,リーマン計量について互いに双対的なアファイン接続のペアが様々な重要な働きを見せる.従ってこの二つの互いに双対なアファイン接続に関して自己平行な部分多様体(以後,二重自己平行多様体と記す)も考えることができ,実際に数理科学の随所にしばしば現れるが,ほとんど研究されていない. 様々な数理科学に現れて重要な働きをする正定値対称行列錐や二次錐などの性質を抽出してものに対称錐と呼ばれるものがある.各種の対称錐の代数的な面を統一的に記述するものとして,Jordan代数と呼ばれるものがある.今年度は対称錐の二重自己平行部分多様体をJordan代数を用いて特徴付けに加えて,統計的推論,最適化などのデータサイエンスに対称錐が関わる問題のいくつかへの応用をまとめた論文を投稿し,受理された(2023年5月17日). また,二重自己平行性の性質のさらなる応用や,他の統計多様体への拡張などに関し,引き続き研究,アイデアの創発に努めるとともに,関連する資料収集,情報交換を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
対称錐の自己平行部分多様体に関しては,本研究課題の当初の目標をほぼ達成し,他の統計多様体への拡張,関連する問題への応用に取りかかれたが,共形平坦性,ネットワーク非線形拡散におけるエントロピーの振る舞いに関する幾何学的アプローチについては,満足に取り組めていない.
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Strategy for Future Research Activity |
二重自己平行部分多様体の拡張,応用についてはいくつかの方向が見えているので,研究をあるので,研究を深めてゆく. 共形平坦性,ネットワーク非線形拡散におけるエントロピーの振る舞いに関する幾何学的アプローチについては,あまり注力できていなかったが,新しいアイデアの創発に努めながら前進させる. これらに関連する資料収集,情報交換を積極的に行ってゆく.
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Causes of Carryover |
昨年度までの約3年間のコロナ禍のため,研究成果の発表・情報交換のため参加予定であった各種の国際・国内会議に対面参加や共同研究者との対面議論・協議がおこなえず,旅費が大幅に余ったため.
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