2020 Fiscal Year Research-status Report
Study of the entire solution set and preference solutions in set-valued programming
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19K03637
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
黒岩 大史 島根大学, 学術研究院理工学系, 教授 (40284020)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 集合値計画問題 / 選好解 |
Outline of Annual Research Achievements |
『集合値計画問題』とは、実社会における多様な価値観を自然に表現することが可能な問題であり、「数理計画問題」、「多目的計画問題」からの拡張の流れとして、研究代表者によって導入されたものである。この問題は単なる拡張ではなく、チームやクラス、部署や会社等のグループ同士など、複数の要素のままで比較する状況をモデル化しているため、非常に広い適用範囲を持っている。
本研究の目的は、集合値計画問題の最適解に関して、(1)解全体の書き上げに関する研究、すなわち解集合の特徴付けについての研究、および(2)意思決定者が「望ましい」と感じる解、すなわち選好解についての研究を行うことである。これらは、インタラクティブ(対話的)に解を求める際に必要な理論であり、多目的計画問題においては研究がなされているが、集合値計画問題においては数学的な土壌の欠如のため、未だ十分な研究がなされていなかった。
2020年度には、上記の状況および2019年度に行った研究実績を踏まえ、集合値計画問題の解集合の収束に関する研究、解集合にまつわるKKT条件に関する特徴付け、不確実性を持つ多目的ゲームのロバスト解(集合値計画法の解)に関する研究、辞書式順序におけるインタラクティブに解を求めるための研究について研究を行った。これらは実社会の問題に応用する際に重要となる理論的な研究である。また、限定的な埋め込み空間の考察とその双対空間について研究を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ禍のため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、埋め込み空間の双対理論に基づいて解集合の特徴付けを行う。また、統一的な埋め込み手法も合わせて考慮し、集合族上の二項関係(集合順序)である l 型、u 型や、Jahn 氏によって考察されているs 型を包含した研究を行う。この研究に基づいて、集合値計画問題の解集合に関する研究を行う。重要なポイントは、限定的な埋め込み空間の双対空間を具体的に記述すること、および集合順序に関する順序錐の極錐も具体的に記述することである。
またこれらに加え、集合値最適化問題を考えるにあたって必要となる凸性、準凸性、差凸性などの凸概念や、半連続性、有界性、単調性、あるいは微分可能性などの集合値写像に関する概念を、本研究で導入した限定的埋め込み空間のレベルで考察する。また具体的な集合値計画問題に対して応用を考察する。特に不確実性を持つ多目的計画問題のロバスト解を考察し結果について解析する。
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Causes of Carryover |
本研究のシミュレーションをするための高性能PCを購入する。またコロナ禍が解消した場合には共同研究および成果発表のための旅費として利用する。
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