2021 Fiscal Year Research-status Report
データに潜在する曲率情報に着目した統計解析手法の開発
Project/Area Number |
19K03642
|
Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
小林 景 慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 准教授 (90465922)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | データ解析 / 機械学習 / Wasserstein距離 / グラフ埋め込み |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度の研究成果としては,これまでの本研究課題の成果である,①経験グラフ測地距離のα,β距離を用いたデータ解析手法,②正規分布の場合のエントロピー制約付きWasserstein距離の理論解析,③計量錐を用いたグラフ埋め込みによるデータの階層構造の抽出手法のそれぞれについて,Shoenberg理論の応用という見地からまとめた結果を統計関連学会連合大会において発表したことが挙げられる.また,Shoenberg理論は距離空間を特徴づける理論として統計学やで機械学習などの幅広い分野で応用されてきたが,それらを統合的にまとめることはこれまでなされてこなかったので,発表においては幾何学的なデータ解析という本研究課題に即した視点でのサーベイも行った.さらに,③の計量錐を用いたグラフ埋め込みについては,新たな実験結果を加えた論文を機械学習の国際会議に投稿した. また,学習による英語心内辞書の推移に関するデンドログラムを用いたデータ解析およびその知見を用いた英語学習教材の開発に関する共同研究の成果を学会で発表し,成果をまとめた論文が受理され出版された. 以上に加えて,自然言語処理分野における質疑応答(QA)データセットの評価用データセットの役割と日本語QAデータセットの必要性についての共同研究と,強化学習の手法であるCounterfactual Regret Minimization(CFR)による不完全情報繰り返しゲームに対する近似的な均衡戦略に関する共同研究についても,その成果をそれぞれ国内会議で発表した.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究課題の各テーマに関する成果について複数の会議や論文で発表を行っており,その点では研究計画は順調に進行している.一方,予定されていた国際共同研究についてはCovid-19の影響で当初予定していた3年間という研究期間では完遂できない見通しとなったため,期間を1年延長して4年間での研究計画に切り替えて進めている.このため,3年終了の時点では当初の研究計画よりやや遅れが生じている.
|
Strategy for Future Research Activity |
Covid-19の影響で,当初予定していた3年という研究期間での研究計画において未達部分が発生したため,期間を1年延長した上で,最終年度はこれまで限定的であった海外の研究者との国際共同研究を,国際会議の参加,研究機関訪問などを通してより積極的に進める.それと並行して,本課題のこれまでの研究課題を総括して,今後の研究や応用へ発展させていく方法を探る.
|
Causes of Carryover |
Covid-19の影響で海外における共同研究が実行できなかったため未使用が生じた.次年度においてロンドン・スクール・オブ・エコノミクスを研究訪問して,Henry Wynn等の現地の研究者と共同研究及び情報交換を行う予定である.この訪問は4か月の長期滞在となるため,次年度予算の大部分をこのための旅費・滞在費として使用する予定である.
|
Research Products
(6 results)