2022 Fiscal Year Annual Research Report
データに潜在する曲率情報に着目した統計解析手法の開発
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19K03642
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
小林 景 慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 准教授 (90465922)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 幾何学的データ解析 / データ解析 / 機械学習 / 曲率 / クラスタリング |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度である本年度は,これまで4年間の研究成果をまとめて発表するとともに,成果が今後さらに発展する方向性を定めるための議論を行った.具体的には,5月に行われた国際学会Algebraic Statistics 2022において本研究の成果の紹介を中心とする基調講演を行った.その講演においては,1.データ空間の計量を曲率を単調に変化させるように変換することにより,データ間測地距離をチューニングし,クラスタリング等のデータ解析精度を上げる手法を提案し,2.それを降雨量データ等の実データに応用して既存手法では不可能であった解析結果を示し,3.その手法の開発過程で見つけた計量錐へのデータ埋め込みをグラフ埋込に応用することにより,単語データなど階層構造抽出精度をあげることが可能である,という3点について紹介した.また,本研究課題において中心的な共同研究者であるロンドン・スクール・オブ・エコノミクス(LSE)のHenry P. Wynn教授を長期訪問し,本研究の成果について,LSEやイギリスのデータ解析や計算機科学の研究者らと討論を行い,得られた結果の今後の発展性について新たな知見を多く得ることができた.また,折田充教授(熊本大学)らの研究グループに参加して,英単語の心内辞書が学習によってどのように変化するかを評価し,その知見を学習教材開発に応用する共同研究について,近年の成果をまとめた.具体的には,名詞,形容詞,動詞に対して,各学生およびクラス全体での英単語心内辞書を木構造(デンドログラム)を用いて表し,学習の前後での心内辞書の変化量を,心内辞書間の距離を用いて定量的に評価した.本研究成果をまとめた論文は学術雑誌ARELEに掲載された.
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Research Products
(6 results)