2022 Fiscal Year Research-status Report
Applications to the topological computation for coupled network dynamical systems of Large degrees of freedom
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19K03644
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Research Institution | Ryukoku University |
Principal Investigator |
岡 宏枝 (國府宏枝) 龍谷大学, 先端理工学部, 教授 (20215221)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 力学系 / 位相的計算理論 / 大域的構造 / モース理論 / パーシステント・ホモロジー |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度の実績は以下の通りである:1) switching systemは生命科学で扱われる生体分子の制御ネットワーク結合系を区分線形な常備分方程式とその連続系への摂動として捉え、数学的な性質を抽出したものである。研究代表者たちは、今までの科研費研究で研究し、かなり広範囲のものに適用できるようになった。この定式化は、少しずつ進化しており、コロナ禍の始まったこの2年で、Rutgers University の共同研究者により、計算方法がかなり改良され、定式化がこのためにかなり変化しより改良されつつある。 2) 昨年度発表した論文の結果を数学会で発表した。内容は、定常解の存在と安定性について、特に十分傾きがスティープな非線形性を持つシグモイダル関数で表される連続系はswitching systemと1対1に対応することを示した(Duncan, Gedeon, Kokubu, Mischaikow, Oka)。この論文では、アイデアとしてDSGRN (dynamic signatures generated by regulatory networks)を提案しており、これにより switching systemの有限個のデータの組み合わせから、我々の共同研究者たちの開発したコンピュータソフトを用いて、witching systemからの連続な摂動系に対して厳密な結果(定常解の存在と安定性)を得ることができる。この論文の定式化は(Gedeon, Harker, Kokubu, Mischaikow,Oka), PhysicaD339(2017)18-8)で扱われたものから得られる結論で、この2年の定式化は、さらに改良されたものである。 3) この論文を別のニューラル・ネットワークで応用できるかについて、津田一郎氏、荒井迅氏、国府寛氏らと話し合った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究課題:大自由度結合ネットワークのための位相計算理論の整備と応用は平成28年度から令和元年の生命科学における結合力学系の大域的構造解明のための位相計算理論を集大成する目的で始めている。前前年度からやや遅れているが、本年度はその遅れを取り戻せなかった。理由としては、引き続くコロナ禍で海外渡航を控えており、オンラインによる共同研究も何度か試みているが、時間調整が難しいこと、コミュニケーション手段に視覚的なものが使いにくく音声による対話が中心であり、Rutgers Univ.において進展している内容を理解するのに手間取り、十分な進展を見るまでに至っていない。国内の研究会においても、議論の回数が減っており、活発な議論ができず、進展に影響していると思われる。 また、個人的なことながら、本務校退職の準備等で時間が取られたのも理由の一つである。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度と同じ方針1)2)3)を試みる。 1)オンラインでの共同研究をする。また、今までのオンライン討論の経験を生かし、より効果的な進め方を実行する。具体的には、共同作業のできるソフト の活用をするなど。2)海外渡航可能な時期に海外で共同研究する。3)今まで試したことがなかったが、Rutgers Univ.において開発されたソフトをリモートで使用してみることにより、より充実した知見が得られると思う。 また、7月に開催されるICIAMに参加する海外の共同研究とこの後の方針について話し合う。
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Causes of Carryover |
オンラインでの研究がほとんどで国外、国内出張ができなかったのが主な理由である。 今年度は出張は予定しているが、状況によりわからないが、その場合は返還を考える。
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