2022 Fiscal Year Annual Research Report
Study on highly accurate analysis and critical universality for topological phase transitions by the use of the improved dynamical scaling
Project/Area Number |
19K03666
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
尾関 之康 電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 教授 (70214137)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 動的スケーリング解析 / 非平衡緩和法 / スピングラス転移 / トポロジカル相転移 / カーネル法 / パーコレーション / フラストレーション系 |
Outline of Annual Research Achievements |
Koterlitz-Thouless (KT) 転移に始まるトポロジカル相転移系やスピングラス転移系では非常に遅い緩和によるシミュレーションの難しさが共通の課題になっている。非平衡緩和法は、遅い緩和によって平衡シミュレーションに困難を来たす系に、系統的な数値解析を実現してきた。さらに最近、ベイズ推定とカーネル法を利用して、動的スケーリング解析が改良され、汎用で高信頼・高効率な解析法に発展した。2022年度は以下のような成果を得た。 (1)3次元イジングスピングラス模型で成功した、ビンダー比による臨界指数zの外挿によって、精度の良い臨界指数の決定が可能になった。スピングラス相境界に沿ってスピングラス臨界指数が普遍性を示され、濃度ー温度相図における普遍性クラスの構造が明らかになった。 (1’)上記の描像が、他のスピン系、例えばXYスピングラスで成立するか否かの検証を行うため、振る舞いの安定しているゲージグラス模型を手始めに解析した。相図の決定は問題なく行えた。臨界指数評価のために高速な計算環境の構築を始めた。 (2)ネットワーク上のパーコレーション系において、通常の有限サイズスケーリングとは異なる、サイズに依存しないスケーリング解析を開発し、転移濃度と臨界指数の評価法を確立した。さらに、パラメーターに依存しない外挿法を確立し、より信頼性の高い指数の決定を可能にした。臨界指数が非常に小さく、急激な発散を伴う系におけるこれまでの評価を刷新スル可能性のある結果を提示することができた。
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