2019 Fiscal Year Research-status Report
Fast ion heating and plasmoid reconection driven by magnetic helicity injection
Project/Area Number |
19K03785
|
Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
永田 正義 兵庫県立大学, 工学研究科, 教授 (00192237)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菊池 祐介 兵庫県立大学, 工学研究科, 准教授 (00433326)
神吉 隆司 海上保安大学校(国際海洋政策研究センター), 国際海洋政策研究センター, 教授 (40524468)
福本 直之 兵庫県立大学, 工学研究科, 准教授 (90275305)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 磁気リコネクション / プラズモイド不安定性 / 磁気ヘリシティ入射 / 球状トーラス / イオン加熱 / 磁化同軸プラズマガン |
Outline of Annual Research Achievements |
兵庫県立大学の球状トーラス(ST) HIST装置では、トランジェント同軸ヘリシティ入射(T-CHI)法によって生成したST配位プラズマにおいて、自己組織化、磁気リコネクション、MHD緩和、乱流、2流体フロー平衡等について調べている。磁気リコネクション研究に関しては、リコネクションの高速化機構の解明が重要課題となっており、その一つのモデルとして、電流シート内にマルチプラズモイドのマルチ生成に起因する乱流的構造がリコネクションを加速する機構が提案されている。我々は、T-CHI生成プラズマにおいて、伸長された電流シートの中で観測された周期的な磁気揺動に着目し、プラズモイド駆動リコネクションの検証を行っている。今年度の研究成果は以下の通りである。 1)プラズモイドの生成機構について新たな発見があった。電流シートの伸長後、電流シートがティアリング不安定性で壊れて分裂され、その過程でプラズモイドが形成される様子を明確にした。プル型のリコネクションによって分裂して生まれたプラズモイドは、その後元のマザープラズモイドに近づき、合体リコネクションを起こすプロセスが繰り返され、磁場と密度の規則的な振動波形として観測されることが詳細な磁場揺動解析から新たに判明した。 2)リコネクションに起因する高速イオン加熱は磁場エネルギーが運動エネルギーに変化される現象であり、天体宇宙プラズマにおいてその機構解明は重要となっている。ドップラーイオン温度分光計測の結果について、磁気リコネクションによるイオン加熱に関連する新規なデータが得られた。大きなフロー揺動があるプラズマ入射の初期の時間帯だけでなく、上記のプラズモイド振動波形が観測される時間帯で合体と分裂のリコネクションが繰り返され起きることから発生するイオン加熱について検証することができた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実験データの解析は進み、多くの重要な結果が得られた。特に、磁気リコネクションの検証を様々な方面から解析することで、電流シート内に形成される多数のプラズモイドが磁気リコネクション機構に寄与していることや、プラズモイド型リコネクションがイオン加熱を生み出すことを新規に見出したことの意義は大きい。 一方、新実験室への電源と主実験装置の移転により、装置の再構築後、運転を再開することが困難な状況となり、新たな実験データの取得ができていない。そのため、予算の一部を次年度に繰り越しをした。
|
Strategy for Future Research Activity |
現在、新型コロナウイルス対策として大学での研究活動は中断しており、今後、早急な研究活動の再開を期待している。実験装置の再構築には多大な時間と労力がかかる。そのため、これまでの取得実験データの解析を主に実施すると同時に、比較的短期間に遂行が見込めるプラズマガン生成CT合体リコネクション実験の準備を行う予定である。また、他機関の分担者との共同研究により、計算機を用いた磁気リコネクション研究を推進することを模索している。
|
Causes of Carryover |
新実験室への電源と実験装置移転を行ったが、装置再構築と実験の遂行が困難であったため。
|