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2021 Fiscal Year Research-status Report

Functional Renormalisation Group and Gauge Symmetry

Research Project

Project/Area Number 19K03822
Research InstitutionNiigata University

Principal Investigator

伊藤 克美  新潟大学, 人文社会科学系, 教授 (50242392)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 五十嵐 尤二  新潟大学, 人文社会科学系, 名誉教授 (50151262)
Project Period (FY) 2019-04-01 – 2023-03-31
Keywords非摂動くりこみ群 / 厳密くりこみ群 / ゲージ対称性 / 場の量子論
Outline of Annual Research Achievements

厳密くりこみ群を用いてゲージ理論を定義することは,運動量切断の存在によって非常に困難なものとなる.しかしながら,運動量切断の存在はゲージ対称性が失われることを意味せず,我々の用いる反場形式ではゲージ対称性は量子マスター方程式の成立という形で表現され,変形されて維持される.物理で扱われる様々な系に対して厳密くりこみ群を応用する際に,以上の構造を有用なものとする枠組み・近似法を見出すことが本研究の目的である.
2019年にT. Morris, 五十嵐と一緒に,Yang-Mills理論に対して,厳密くりこみ群とゲージ対称性の整合性を摂動論の範囲で示した.2021年に出版した論文ではこの手法をQEDに適用した.後者では質量のないフェルミオン場を導入し,それらの4体相互作用が議論に及ぼす影響を議論した.QEDにおいても厳密くりこみ群とゲージ対称性の整合性を摂動論の範囲で議論することができた.4体フェルミ相互作用の存在によってワード恒等式(Z_1=Z_2)は成り立たない.しかし, 量子マスター方程式を維持することによってゲージ対称性が保たれていることが理解された.
反場形式を用いると,ゲージ対称性の存在は量子マスター方程式(QME)の成立によって保証される.QMEは厳密くりこみ群方程式とは整合的であり,スケールの変化による場・反場の波動関数くりこみも反場形式の正準構造を維持するように導入されるのが自然である.この理解を得たことで,すでに得ていたQEDに関する数値計算の結果の解釈ができるようになり,現在論文を執筆中である.

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

研究計画の実施に遅れが生じているのは次の2つの理由による:1)新型コロナ感染症のために,研究会への参加・共同研究のための出張が制限され続けていること;2)学部教員の著しい削減が続き,職場の教育・研究条件が悪化したため,研究時間が十分確保できなくなっていること.特に1)により予算が予定通り使えていない.
このような状況であるが,zoom などを使っての研究会への参加・研究打合せを継続しており,課題に関する理解を深めて来ている.論文を一編出版し,現在,もう一編の論文を執筆中である.

Strategy for Future Research Activity

厳密くりこみ群の考え方では,可能なすべての相互作用を含んだ作用を考察し,得られるフローの構造がくりこまれたフローを選び出し,それが場の理論と対応すると考える.現実な考察では多くの相互作用を考えることはできず,我々は相互作用の数を制限することで作用の形を仮定することになる.ゲージ対称性の要請とフローの方程式の2つに整合的である作用の形を見出すことは一般的には非常に困難である.
数年前からQEDに関する数値計算を行い非自明な固定点の存在を見ていたが,ゲージ対称性との整合性が十分理解できずに保留したままになっている.今回,摂動論的な整合性の研究をしたことによって,波動関数くりこみの扱いに一つの方針ができた.これを踏まえて以前の数値計算を見直すと,ゲージ対称性と折り合いの良い構造を維持したまま非摂動的くりこみ群方程式を扱う例を,QEDにおいて構成できるものと考えられる.現在,詳細に検討しているところである.求めている近似法のひとつのひな型になることを期待している.

Causes of Carryover

国内外での会議への参加・研究打ち合わせを通じて課題への理解を深め,共同研究などを実施することを本研究課題では想定していた.そのために,旅費に重きを置いた申請を行ったが,新型コロナ感染症の影響で出張は非常に限られたものとなり,当初想定した通りに予算を使うことができなかったことが主な理由である.

  • Research Products

    (2 results)

All 2021

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results,  Open Access: 1 results) Presentation (1 results)

  • [Journal Article] QED in the Exact Renormalization Group2021

    • Author(s)
      Yuji Igarashi, Katsumi Itoh
    • Journal Title

      Prog. Theor. Exp. Phys.

      Volume: 2021 Pages: 123B06

    • DOI

      10.1093/ptep/ptab142

    • Peer Reviewed / Open Access
  • [Presentation] 厳密くりこみ群におけるQED2021

    • Author(s)
      五十嵐尤二,伊藤克美
    • Organizer
      日本物理学会 2021年秋季大会

URL: 

Published: 2022-12-28  

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