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2023 Fiscal Year Research-status Report

Functional Renormalisation Group and Gauge Symmetry

Research Project

Project/Area Number 19K03822
Research InstitutionNiigata University

Principal Investigator

伊藤 克美  新潟大学, 人文社会科学系, 教授 (50242392)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 五十嵐 尤二  新潟大学, 人文社会科学系, 名誉教授 (50151262)
Project Period (FY) 2019-04-01 – 2025-03-31
Keywords汎関数くりこみ群 / 厳密くりこみ群 / 量子マスター方程式 / ゲージ対称性
Outline of Annual Research Achievements

汎函数くりこみ群では,正則化のために運動量切断を導入する.この正則化はゲージ対称性と相性が悪く,汎函数くりこみ群を用いてゲージ対称性を持つ場の理論を定義するときに大きな障害となっている.この正則化によってもゲージ対称性は失われずに変形を受けて存在し,量子マスター方程式(QME)の成立がゲージ対称性維持の鍵となっていることを我々は示している.
我々は,ゲージ対称性を持つ場の理論として,4体フェルミ相互作用を導入した量子電磁気学(QED)を主に研究した.この系を摂動論的に扱うと,有限の運動量切断を持つ作用を具体的に構成でき,QMEとくりこみのフロー方程式を同時に満たすことを1-loopの範囲で示すことができる.このとき,良く知られたワード恒等式が4体フェルミ相互作用の分だけずれてしまう.
元々,汎関数くりこみ群は場の理論の非摂動的取扱いを目指して開発された手法であり,上述の系を非摂動的なくりこみ群フロー方程式を用いて解析することができる.フロー方程式を用いて解析する作用のAnsatzを選ぶところがこの手法の重要なステップである.摂動論的解析から得られた結果に基づいた Ansatz を用いて数値計算を行ったところ,紫外固定点の存在が示唆された.
2023年度は,摂動論を用いて得られた結果と非摂動論的解析の結果の整合性について理解を深めるための議論と研究を行った.特に,4体フェルミ相互作用の導入により現れるワード恒等式の修正が,BRST対称性と整合性を保ったままフローの式に従っているのかということについて理解を深めた.また,非摂動論的解析とBRST対称性の維持について,先行研究の議論を再検討した.

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

ヤン・ミルズ理論,4体フェルミ相互作用を加えたQEDを例に,QMEとフロー方程式の整合性を摂動論の範囲で理解できた.さらに,有限の運動量切断の存在下での有効作用の構成を,BRST 代数の立場から具体的に実行できたことは有用である.
4体フェルミ相互作用を加えたQEDについては,非摂動的な数値計算の実施し,非自明な結果も得ているが,有効作用の Ansatz の位置付けについて,さらに議論が必要である.この問題については,一部先行研究に見られる議論との関係も明らかにすべき課題となっている.
コロナ禍によって共同研究者との議論の機会が減ったことで研究の遅れが生じた.教職員削減などに伴う研究環境の劣化により研究時間の確保が自明ではなくなっている.

Strategy for Future Research Activity

汎関数くりこみ群を用いたゲージ論(具体的にはヤン・ミルズ理論,QED)の摂動論的解析において,BRST cohomology の果たした役割は大きい.
ゲージ対称性の存在を現わす量子マスター方程式(QME)は,ある汎関数(QMFと呼ぶことにする)がゼロになることを言う.この汎関数QMFはQMEの成立とは無関係に量子BRST変換のもとで不変である.すなわち,BRST-exact な量である.
QMEが成り立たず,量子異常の存在する系では,QMFが量子異常と直接関係すると考える強い証拠がある.汎関数くりこみ群を用いたゲージ論の扱いにおける量子異常の存在を,BRST cohomology の立場から明らかにすることを目指す.

Causes of Carryover

コロナ禍の影響を受けて出張などを控えたことが主な理由で次年度使用となった.2024年度には,共同研究者との議論,会議などの参加のために国内外への出張旅費として使用する予定である.

  • Research Products

    (3 results)

All 2024 2023 Other

All Int'l Joint Research (1 results) Presentation (2 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results,  Invited: 1 results)

  • [Int'l Joint Research] Universitaet Heidelberg(ドイツ)

    • Country Name
      GERMANY
    • Counterpart Institution
      Universitaet Heidelberg
  • [Presentation] Gauge Symmetry and Functional Renormalization Group2024

    • Author(s)
      Itoh, Katsumi
    • Organizer
      Functional Renormalization Group at Niigata 2024
    • Int'l Joint Research / Invited
  • [Presentation] 汎関数くりこみ群におけるQEDのゲージ対称性2023

    • Author(s)
      五十嵐尤二,伊藤克美
    • Organizer
      日本物理学会 第78回年次大会

URL: 

Published: 2024-12-25  

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