2022 Fiscal Year Research-status Report
Study of Gamma-Ray Vortecies on Production Process and Properties in Astronomical Syetem under Strong Magnetic Field, and Explore of Methods to Idenitify Vortex Photon in Experiments
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19K03833
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
丸山 智幸 日本大学, 生物資源科学部, 教授 (50318391)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 光子渦生成 / 磁場 / シンクロトロン放射 / ランダウ準位 |
Outline of Annual Research Achievements |
進行方向に軌道角運動量を持つ光、光渦が自然科学や応用科学で多くの研究者に興味を持たれている。一昨年度までの研究で、10の7乗から11乗テスラといった中性子星内での強力な磁場中で螺旋運動する電子からのシンクロトロン放射によって発生するガンマ線がガンマ線渦になることを示した。ただし、この結果はあくまでも理論計算によるものであり、確証をえるためには実際に実験を行なって検証をする必要がある。しかしながら、実際に実験においては、磁場が大きくても10テスラ、加速された電子のラーマ-半径が10μmとなり、このときの電子のランダウ準位数は10の6乗から7乗という巨大な値となってしまう。このため、これまでの相対論的量子論に基づく正確な計算を行なうことが不可能であった。 昨年度に、電子が二つのランダウ準位を遷移による光子渦放出の遷移行列を精査する中で、終状態の電子の螺旋運動の中心軸が変化しなければ、遷移行列の中に現れるラゲール多項式を漸近形の式で近似できることを発見した。これにより、巨大ランダウ準位数に対応する定量的にも信頼できる近似計算が可能となった。その上で、入射エネルギー150MeVと8GeVの電子に対し実際に実験に対応する理論結果を行ない、実験結果を予想した。終状態光子の軌道角運動量とエネルギーが明確な対応を示すという結果を得ることができ、今後の実験に大きな希望を持つものとなった。現在、この研究成果の論文を執筆中である。 また、昨年度から継続中であった非線形コンプトン散乱によるガンマ線渦生成実験に関しても、世界で初めてのファインマンアプローチによる理論計算が最終段階に達したので、計算を終えた後に論文を執筆する予定である。 さらに、強磁場電気体中の光子の性質についても移送エネルギーをゼロとしたときの光子の自己エネルギーまで計算を進めることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
電子からのシンクロトロン放射による光子渦発生に関する実際の実験と対応させる理論計算は、当初の計画には加えていなかった。しかしながら、実際の計算が可能であることを発見し、実験研究者からも計算の実行に強い要請があったのでこちらを優先した。 また、非線形コンプトン散乱の計算結果に大きな問題があり少し頓挫していた。ただし、これも原因が発見され、計算の最終段階に達している。 ガンマ線エネルギー領域での光子渦の確認方法の理論研究や強磁場中の光子渦の伝搬等の研究も進行中である。ただし、移送エネルギーを含む光子の伝搬の計算が予想以上に困難で、新型コロナにより共同研究者とのすりあわせが難しかったため進行に遅れが生じ、この研究を最終段階まで進める時間的余裕がなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
まず、実験磁場中での光渦放出の理論計算はほぼ終了したので、それらを論文としてまとめる。さらに、非線形コンプトン散乱による理論計算も最終段階まで進んできているので、この計算結果をまとめて論文を執筆する。 この非線形コンプトン散乱により生成されるガンマ線渦生成も、シンクロトロン放射のときと同様にベッセル波である。そこで、放出されるガンマ線渦の実験的同定法として放出されたベッセル波と標的物体とのコンプトン散乱を用いる方法を中心に研究を行なう。 また、強磁場中での光子渦の伝搬の研究を行う計画であるが、定式化および数値計算が非常に困難であり期間内の終了は無理と判断される。そこで、これまでの結果のうち移送エネルギーを無視することで強磁場内の電磁相互作用を求めることが可能である。この計算を進め、電磁相互作用に対する磁場の影響という形で研究結果をまとめ論文を執筆する。
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Causes of Carryover |
コロナ禍のため研究発表や打ち合わせ等のための旅費を使うことができなかっため令和3年度の払戻金が多く、令和4年度前半も同じ理由で出張等ができなかった。 令和4年度後半から出張制限も大幅に緩和されてきたので、令和5年度は研究を遂行するための国際学会への参加や国際共同研究を推進するための旅費に使うとともに、投稿料等の論文発表のための経費として使用する計画である。
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[Presentation] 強磁場中での電磁相互作用遮蔽効果の研究2022
Author(s)
丸山智幸, 梶野敏隆, 日下部元彦, Eunseok Hwang, Kiwan Park, Kyujin Kwak, Myung-Ki Cheoun, Dukjae Jang, Youngshin Kwon, A.Baha Balantekin
Organizer
日本物理学会 2022年秋季大会
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