2022 Fiscal Year Annual Research Report
Extension of the standard model based on scale invariance and its verification trough gravitational waves
Project/Area Number |
19K03844
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
久保 治輔 富山大学, 理学部, 客員教授 (40211213)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 素粒子論 / スケール不変生 / 量子重力理論 / 宇宙のインフレーション的膨張 |
Outline of Annual Research Achievements |
スケール不変な項,Ricci scalarの二乗とWeyl tensorの二乗をアインシュタインの重力理論に加えた重力理論(Quadratic Gravity)は,くりこみ可能である.つまり,Quadratic Gravityは,アインシュタインの重力理論と比べると二つ多く独立なパラメータを含んでいるが,量子化されてもその数は増えることはない.しかし,Weyl tensorの二乗が加わると二つのスピン2の粒子が存在する.一つは質量ゼロの(通常の)gravitonでもう一つは,質量が有限であるが,その運動項の符号が逆になっているため量子理論の確立解釈ができない.この質量が有限のスピン2の粒子は,massive spin-two ghostと呼ばれ,その存在のためにQuadratic Gravityは完全な量子重力理論として見なされていない.この問題を克服するための様々な案はあるが,まだ満足のいく解決策は存在していない.Quadratic Gravityの重力場は,gravitonとmassive spin-two ghostを同時に含んでいる複雑な構造をしている.当研究代表者は共同研究で,この二つの自由度を完全に分離し,つまり,gravitonを記述する場とmassive spin-two ghostを記述する場が独立に存在している理論に書き換えることにより,理論の共変的正準量子化に成功した.この量子化は演算子形式であるため,Quadratic Gravityにおける確立解釈の可能性(ユニタリ性)の問題について新たな理論的展開を図ることができる. 宇宙のインフレーション理論をスケール不変性に基づいて拡張することにも成功した.特に,Quadratic GravityのWeyl tensorの二乗の項がスケール不変性の自発的破れに重要な役割を果たしていることを見出した.
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