2019 Fiscal Year Research-status Report
Color confinemet and non-perturbative mechanism of QCD due to gauge-field singularities
Project/Area Number |
19K03848
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
鈴木 恒雄 大阪大学, 核物理研究センター, 協同研究員 (60019502)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | クォークの閉じ込め / QCD / モノポール / 双対マイスナー効果 / ブロックスピン変換 |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年度の3本の計画の内の一つ、gluonのみのpure SU3 QCDで、SU2の場合と同様に、ゲージ場の異常性に起因する可換モノポールが連続極限をもち、ゲージ依存性がないかどうかに集中して、取り組んだ。SU2の場合と同じように、格子サイズ48^4で改良型岩崎 作用をとり、まず真空配位を50個づつ、格子間隔で10点で発生させた。これをSU2と同様に、滑らかなMCGゲージ固定を行い、まずはモノポールの密度を図る予定であったが、SU2とかなり異なり、ゲージ固定が非常に複雑となり、途中で局所的な配位空間にトラップされてなかなかうまくいかず、相当時間がかかった。しかも、SU2では必要なかったpreconditioningという新しい改善法も必要であることがわかり、真空の配位は何とか発生できたのが、11月くらいまでかかった。それから、モノポール密度を計算したが、元の格子上では、十分きれいにlattice artifactを落とせず、ブロックスピン変換をして調べざるを得ないことがわかったが、さらに慎重に進める必要性があることがわかり、この研究はいったん中断させた。 その後、12月ころから、研究計画の第一と第2の課題にまず取り組んでいる。とくにゲージ固定のような人為的な操作なしに、pure SU3で、Abelian dominanceやmonopole dominanceが成立していることを確かめる研究である。そのためのコード開発はようやっと終わり現在計算を実行中である。この計算も大変時間がかかるが、今年度前半は、大阪大学の計算センターのSX-ACEの公募型研究計画が認められたので、この期間中に結果は出せると予想している。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
3本の研究計画の内、SU2QCDで非常にうまくいった内容、つまりいくつかの滑らかなゲージ固定を行った真空で、モノポールのブロックスピン変換という方法で、VNABIに対応するモノポールの密度を調べることで、連続極限が存在することを証明するというテーマに最初に取り組んだが、SU2と比べて、SU3では3重のSU2が絡んで、ゲージ固定が非常にむつかしく、しかも収束にとても時間がかかり、新しい改善法を導入するなどの必要性も出てきて、順調に進まなかった。しかも得られたゲージ固定後の真空は、十分満足するほど滑らかになっておらず、元の格子上では、lattice artifactのモノポールが十分削減されていないことがわかり、いったんこのテーマは先延ばしをして、研究計画の再保のテーマに変更した。そのためのコードの開発や準備のために時間がかかって、物理的な成果が出瀬なかった。
|
Strategy for Future Research Activity |
2019年度の出した研究計画の1と2の課題を、現在重点的に取り組んでいる。2020年9月までの前半に、ゲージ固定によらず、Pure SU3 QCDで、アーベリアン成分だけで、閉じ込めを示す弦定数が100%再現されることおよびAbelian monopoleと解釈できるビアンキ恒等式の破れでそれが完全に理解できることを示す。その後、SU3での双対マイスナー効果での証明と閉じ込め相での真空のタイプを決定する。これらは、非常にたくさんの真空配位を発生し、かつrandom ゲージ変換で等価な真空配位をたくさん発生させて、平均することが必要となるので、これを前半の研究で行う。後半は、MCGゲージ固定などした真空を改善しつつ、モノポールのブロックスピン変換を行い、モノポール密度やモノポールの有効作用の連続極限をしらべる。順調に進めば、当初の研究計画に沿ってdynamical quarkを導入した本当のSU3QCDでの研究に取り組む。
|
Causes of Carryover |
春の学会が新型コロナの発生で中止となったため、旅費が執行できなかった。
|