2023 Fiscal Year Research-status Report
Color confinemet and non-perturbative mechanism of QCD due to gauge-field singularities
Project/Area Number |
19K03848
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
鈴木 恒雄 大阪大学, 核物理研究センター, 協同研究員 (60019502)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2025-03-31
|
Keywords | QCD / カラーの閉じ込め / モノポール / 双対マイスナー効果 / ブロックスピン変換 / 逆モンテカルロ法 |
Outline of Annual Research Achievements |
ゲージ場の特異点に起因するモノポールの真空凝縮でQCDにおける長年の未解決問題であるカラーの閉じ込めが理解できるかどうかの研究を引き続き行ってきた。手法は、大阪大学のCMCにあるSQUID計算機を用いたモンテカルロ計算である。昨年度前半は、この描像で期待される可換成分およびモノポール成分のみで、閉じ込めの指標と言われる弦定数が連続極限でも再現されるかを、多くの結合定数で48^4という格子上で調べて、連続極限で期待されるふるまいを再現しそうであるという結果を得た。この結果は、Physical Review Dに発表され、2023年8月の「Lattice2023}国際会議及び9月の物理学会で発表した。これらの計算は、ネットワークを経由して行っており、ネットワーク環境にとって最も重要なPCを更新した。また、大阪大学RCNPで、中村純氏と議論を行った。年度の後半は、JLDG(日本のLattice Database)に公開されている軽いクォークの入ったデータと自分で作成したグルオンのみのデータを比較して、真空中のモノポールの振る舞いや分布、さらには、モノポールのブロックスピン変換という独自手法で、モノポール密度や有効作用を調べた。これらの量は、本来は理論の結合定数ベータとブロックスピン変換の回数nの2点に依存する2点関数であるが、計算結果は、b=na(beta)という量だけに依存する1点関数となるスケーリング則を満たすことを発見した。このスケーリング則は、ブロックスピン変換は今の研究では、n=12までしか調べてないが、もっと大きなnまで同じ振る舞いが期待されるので、連続極限を意味する。また、なぜ可換なモノポール凝縮で非可換なカラーの閉じ込めが説明できるかという理論的な内容でも、新しい知見を得た。この結果は、現在論文として整理中で、2024年3月の物理学会で一部発表した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
軽いクォークの入った場合の計算は、JLDGに公開されたデータで重要な計算が一部であるができた。
|
Strategy for Future Research Activity |
モノポールに関するブロックスピン変換を用いた現在進めている連続極限の存在を調べる研究は、論文をまとめる。さらに、モノポールが、有限温度での閉じ込め・非閉じ込め相転移に関して、本質的であるかどうかを調べる。
|
Causes of Carryover |
一番大きな理由は、コロナ感染の恐れから、国際会議参加が無理となったことである。
|