2022 Fiscal Year Annual Research Report
Digital Archives for Nuclear Emulsion Data
Project/Area Number |
19K03885
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Research Institution | Aichi University of Education |
Principal Investigator |
児玉 康一 愛知教育大学, 教育学部, 教授 (70211901)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
市村 雅一 弘前大学, 理工学研究科, 教授 (20232415)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | エマルション / アーカイブス / 宇宙線 / 気球実験 / 加速器実験 / ニュートリノ |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度までに、RUNJOB実験の1ブロック(=2チェンバー)、JACEE南極周回実験の一部、DONUT実験の1モジュール、の合計~20m2のエマルション(乾板)飛跡の読み出しは完了している。 最終年度である今年度は、これら読み出した飛跡データの再構成処理の完了に、まず、注力した。飛跡データの再構成処理のうち、(1)ベーストラック作成に関しては、使用するPCの計算能力が向上したため、初期の処理では不十分であった、特にRUNJOB実験乾板のディストーション・シュリンク補正(乾板乳剤層の歪み補正)の補正値探索範囲を拡大して再処理を行った。(2)HTSの読み出し区画毎に管理していたベーストラックデータを、区画間の相対位置補正を行い、乾板全面を統合した飛跡データにまとめ、それ以降のデータ処理での区画間のデッドスペースの解消と処理作業の簡略化を行った。(3)これまで搭載メモリ量の不足(256Gバイトでも不十分)から、小区画に分割しての処理しか行えなかった、飛跡データ間の接続を再構成するチェイン作成を、全区画一括で行うための処理プログラムの改良を行った。これら一連の再構成処理は、現在進行中である。これらのデータを共有する仕組みの整備に関しては、単なるデータ共有にとどまっており、今後取り組む。 また、エマルションの顕微鏡生画像の共有・公開に関しては、昨年度E531乾板で試み、現在のネット環境でも十分成立する事を確認できたため、気球実験であるRUNJOBとJACEEの乾板の上流部乾板の1cm2×5プレートの領域の画像データの取得も行った。これは、エマルションプレートの乳剤層を、顕微鏡の被写界深度程度の間隔で、焦点面を移動しながら撮影した断層画像のセットであり、これを順次表示させることにより、エマルション飛跡の顕微鏡視野下での目視観察や飛跡データと比較をネット上で行う事ができる。
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