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2019 Fiscal Year Research-status Report

Radon reduction in dark matter search experiment by the development of ultra-low activity molecular sieves

Research Project

Project/Area Number 19K03893
Research InstitutionNihon University

Principal Investigator

小川 洋  日本大学, 理工学部, 助手 (20374910)

Project Period (FY) 2019-04-01 – 2022-03-31
Keywords極低放射能技術 / 暗黒物質探索 / ラドン / キセノン
Outline of Annual Research Achievements

本研究は、極低放射能のモレキュラーシーブス(MS)を独自に開発し、それを用いて暗黒物質検出器からの放射性不純物ラドンの削減をし、暗黒物質探索の感度向上を目指す研究となる。暗黒物質探索のターゲットとして代表的なものに、液体キセノンや、フッ素を含んだ化合物ガスなどがある。これらには、暗黒物質探索のバックグラウンドとなる放射性ラドンが検出器部材から湧き出ることから、ラドンの除去が重要な研究課題となっている。
本年度は、日本大学理工学部において、極低放射能の4A-typeのMSの製作と、製作したMSの放射能の評価を実施した。MSの材料として、高純度の水酸化ナトリウム、水酸化アルミニウム、シリカ成分を、HPGe検出器でのスクリーニングを実施し、極低放射能の材料として選定した。これらの材料を用いて、ユニオン昭和(株)との共同研究として、MSを製作した。完成品は、HPGe検出器で放射能測定を実施した。その結果、市販のMSと比較すると、226Raについては99%、232Thについては97%の削減となった。よって、材料の選定により、極低放射能モレキュラーシーブスの製作は可能であることが分かった。また、残存する放射能は、シリカ成分からのもので説明可能である。よって、極低放射能のシリカ成分を見つけることで、更なる放射能の削減が可能であると考えられる。また、MSからのラドンの湧き出しの測定も実施された。これらの成果は、H. Ogawa et al (2020) JINST15 P01039として論文を発表した。
また、MSによるラドン吸着能力を測定するための試験装置開発も実施された。静電捕集型70Lラドン検出器を製作し、ラドンからの信号を観測する試験段階まで進んだ。試験用装置用配管や、ラドン吸着試験用キセノンガスの用意も進められた。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本年度の大きな進展は、材料の選定により、極低放射能モレキュラーシーブスの製作は可能であることを示し、論文として発表したことである。製作したMSにはまだ有限の放射能が残存しているが、改良のための材料の目途がついていることから、研究の進捗としては極めて順調である。
一方、ラドン吸着試験については、試験装置の中の材料の一部(具体的には、ラドン検出器と信号用フィードスルー)が、極低放射能であるための特殊な仕様であり、納期が長かったことから、本年度では信号の試験段階にとどまっている。ただしこの試験装置については速やかに完成がなされる予定であり、2020年度中に吸着試験を実施することが可能である。よって、本研究全般としては、“おおむね順調に進展している”と評価できる。

Strategy for Future Research Activity

2020年度は、極低放射能のシリカ成分及び、カルシウム化合物の選定を行い、ラドン吸着能力があるとされる5A-typeの極低放射能MSの製作を目指す。シリカ成分については、高純度コロイダルシリカを考えている。また、カルシウム化合物については、精錬されたカルシウム材料の選定をする予定である。高純度ゲルマニウム(HPGe)検出器でのスクリーニングを実施し、極低放射能(特にウラン系列)の材料を選定する。その上で、MSの製作を実施し、完成品の放射能を測定する。
平行して、市販のMSによるラドン吸着試験を実施する。現状は5A-type付近が最も吸着能力が高いと考えられるが、このtypeのイオン交換率を変えた数種類のMS数十グラムを用意する。高濃度のラドンをキセノンガスに入れ、キセノンガスを循環することでラドン除去試験を実施する。最も吸着能力の高かったMSのtypeを選定する。

Causes of Carryover

当該助成金が生じた理由は、ラドン吸着試験装置の開発において、主に消耗品購入に差額が生じたためである。この助成金は、翌年度請求分と合わせて、主にラドン吸着試験の実施時における消耗品の購入、及び改良された極低放射能モレキュラーシーブスの材料等に使用予定である。

  • Research Products

    (1 results)

All 2020

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results,  Open Access: 1 results)

  • [Journal Article] Development of low radioactive molecular sieves for ultra-low background particle physics experiment2020

    • Author(s)
      H. Ogawa, K. Abe, M. Matsukura and H. Mimura
    • Journal Title

      Journal of Instrumentation

      Volume: 15 Pages: P01039~P01039

    • DOI

      10.1088/1748-0221/15/01/P01039

    • Peer Reviewed / Open Access

URL: 

Published: 2021-01-27  

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