2022 Fiscal Year Annual Research Report
Study of Molecular Cloud Formation using L-band in USUDA-64m telescope
Project/Area Number |
19K03912
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
山本 宏昭 名古屋大学, 理学研究科, 助教 (70444396)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 分子雲形成 / OH輝線 / 臼田64m鏡 / L帯 / 水素原子 |
Outline of Annual Research Achievements |
臼田64m鏡を用いて、従来のCO輝線観測では検出できない低密度分子雲の検出し、分子雲形成の形成メカニズムを明らかにするべく研究を実施している。そのために、高感度OH輝線観測を実施すべく、臼田64m鏡のL帯の高感度化を行う。 L帯の高感度化を目指して、初段の極低温冷却増幅器の更新を進めてきた。極低温冷却増幅器のバイアス電源装置を自作し、臼田64m鏡に常温にて設置し、試験を行った。その結果、常温時においても従来のL帯受信機システムの冷却時の性能を上回る結果を得た。新しい増幅器の冷却に向け、CADを用いてクライオスタット内の再設計を行い、新しい部品の製作や購入を行ってきた。 極低温冷却増幅器の更新と並行して、従来の受信機システムで、OH輝線の観測を行ってきた。高銀緯の様々な領域に対して観測を実施してきた。取得したデータの解析ソフトを自作し、観測、解析の問題点をフィードバックしながら進めてきた。本事業では低密度分子雲の検出を目指してきたが、NGC2024ではゼーマン効果を用いた星間磁場の直接測定ができそうな成果を上げつつあるなど、従来の研究目的の枠を超えた成果をあげつつある。最終年度は高銀緯領域の水素原子輝線のデータに対して、多重解像度婦プロセスを用いたマルチガウシアン分解アルゴリズムを用いて、水素原子の2相の安定相である、高温・低密度の水素原子雲と低温・高密度の水素原子雲分離に成功した。また、それらの中間相の分離にも成功した。これらの結果から低温・高密度の分子雲形成につながる水素原子雲の物理量を導出した。また、同領域の一部について、臼田64m鏡を用いてOH輝線の観測を行った。データの解析を実行中であるが、現在のところOH輝線の検出には成功していない。
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