2021 Fiscal Year Research-status Report
X線回折格子を用いた重力崩壊型超新星の爆発機構の解明
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19K03915
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
内田 裕之 京都大学, 理学研究科, 助教 (60589828)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | X線 / 超新星残骸 / X線精密分光 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究計画で予定していた複数の超新星残骸について、X線回折格子を用いた解析を行い、複数の天体で学生を主著とする査読論文を出版した。たとえば、銀河系外の超新星残骸J0453.6-6829で異常に強い禁制線を発見し、また他波長の観測と併せて電荷交換反応の可能性が高いことを示した。さらに、銀河系内の超新星残骸G296.1-0.5でも同様のスペクトルを複数箇所で検出し、さらに電波観測から分子雲とシェルが接触している証拠を発見したため、電荷交換反応を強く裏付ける証拠を得た。また、中心にマグネターを有する超新星残骸RCW103に対してX線回折格子を用いたX線精密分光を行い、星周物質起源の低温成分から、窒素輝線の初検出に成功した。これにより窒素と酸素の組成比と恒星進化モデルの比較を行うことで、本研究課題である親星の制限を行えることを明らかにした、この研究は、本年度早々に論文を出す予定であり、現在執筆中である。また、当初の計画通り XMM-Newtonで観測提案を行い、採択された超新星残骸の観測を終了した。結果は随時発表しており、現在、投稿中の論文が1本、投稿予定の論文が複数件ある。並行してXRISMの開発研究を継続して行い、とくに前年度は軟X線撮像検出器SXIの単体環境試験を完了し、システムへの引き渡しを行った。この結果、今年中に衛星試験を予定通り実施できる見込みである。XRISMは今年度の後半に打ち上げを行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画通り未発表のデータの探索を行い、複数の論文を出版できている。学会や打ち合わせ等の移動制限はあったが、国内外の研究者と連絡を取り合うことで、予定していたX線回折格子データの解析はほぼ完了した。ただし、半導体不足により予定していた解析PCの納入が大幅に遅れたため、一部のデータ解析は年度内に着手できなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
納入が遅延していた解析用のPCは入手できたので、現在残りのX線回折格子データ解析を行なっており、半年以内に一通りの結果を出す予定である。
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Causes of Carryover |
世界的な半導体不足により購入予定だった解析PCと付属品の購入が遅れたため。PCは納品され、次年度に大容量のデータ保存用の外部メモリなどを購入し、大規模な系統解析を行う予定。
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Research Products
(9 results)