2019 Fiscal Year Research-status Report
The theoretical and observational study of the formation process of interstellar heterocyclic compounds
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19K03936
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Research Institution | Center for Novel Science Initatives, National Institutes of Natural Sciences |
Principal Investigator |
鈴木 大輝 大学共同利用機関法人自然科学研究機構(新分野創成センター、アストロバイオロジーセンター、生命創成探究, アストロバイオロジーセンター, 特任研究員 (30815519)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小松 勇 大学共同利用機関法人自然科学研究機構(新分野創成センター、アストロバイオロジーセンター、生命創成探究, アストロバイオロジーセンター, 特任研究員 (20769757)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | アストロバイオロジー / 星間化学 / 生命関連分子 / 核酸塩基 |
Outline of Annual Research Achievements |
生命起源に至る初期地球の化学進化は、宇宙から運搬された単純な生体関連分子から始まったいう説が提案されている。特に、ウラシルなどのピリミジン塩基とグアニンなどのプリン塩基の複素環式化合物は核酸塩基と呼ばれる。これらの分子はDNAやRNAの遺伝暗号をなし、生命起源に至る化学進化に深く関わっていたと考えられる。しかしながら、核酸塩基の星間空間における生成可能性の評価と生成過程の推定は先行研究も非常に少なく、議論を要する問題である。そこで本研究では量子化学の理論を土台に星間空間の化学モデルを構築しそれを観測的に検証するところまで1つの研究の中に落とし込み、星形成領域及び原始惑星系円盤における複素環式化合物の生成経路を明らかにする。 本研究では初めに最新の量子化学計算手法であるGRRMを用いて、星間空間における複素環式化合物の生成反応経路を自動探索する。同時に、反応速度定数の推定に必要な反応障壁の値を求める。その後、GRRMで得られた結果に基づいて星形成領域や原始惑星系円盤の化学進化モデルを構築する。化学モデルでは複素環式化合物とその前駆体の星間空間における生成メカニズムと存在量を予測することができる。最後に、電波望遠鏡によって複素環式化合物とその前駆体の探査を実施することで、星間空間における実際の存在量を調べ、化学モデルの結果を定量的に評価する。 本研究は生命起源に至るまでの最初期の化学進化の理解を促進し、分光実験や電波観測、DNA/RNAの合成実験など、生体分子の化学進化の研究を生物学、化学、天文学のコミュニティを跨いで活性化させることができると期待される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
量子化学計算手法のGRRMを用いることで、ウラシルの解離パターンについて新たな知見を得た。この知見は、今後星間空間に存在する分子からウラシルの形成経路と存在量を予測するために利用する予定である。 一方で、ラジカル反応を取り入れて生成経路を推定するための計算コストは、計画時の見積もりよりもかなり大きいことが分かった。よって当初予定していたよりも量子化学計算による反応経路の探索に時間がかかり、計画よりもやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
複素環式化合物の中でも原子数が多いプリン塩基は非常に大きな計算コストがかかることが分かったため、ピリミジン塩基(ウラシル、アデニン、チミン、ピリミジン)を優先してGRRMの計算を行う。 2020年度以降はこれまで着手してきたウラシルに加え、他のピリミジン塩基を星間空間の化学モデルに取り組み、生成経路と存在量の予測を行う。また、ピリミジン塩基やそれらの前駆体の形成経路および推定存在量を基に、電波望遠鏡による観測を実施する予定である。
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Research Products
(2 results)