2022 Fiscal Year Annual Research Report
Investigation of anomalous neutral density enhancement disturbing satellite orbits in the cusp using international sounding rockets
Project/Area Number |
19K03954
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Research Institution | Hokkaido Information University |
Principal Investigator |
柿並 義宏 北海道情報大学, 情報メディア学部, 教授 (00437758)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 宇宙天気 / カスプ / 熱圏大気密度異常 / 観測ロケット / 化学物質放出 / バリウム / ストロンチウム / 宇宙花火 |
Outline of Annual Research Achievements |
光の波長ごとのカメラの感度特性は情報として公開されてない.そのため,得られた画像のRGB情報から発光波長を特定することはできない.そのため,狭帯域の光学フィルターを使わず,カラーで宇宙花火を計測した場合,どの場所が花火の発光であるかを画像のRGB情報のみから特定することは難しい.光学フィルターを使わず,利用した場合と同様の結果を得るためには波長ごとのカメラの光学特性を知る必要がある.そこで,国立極地研究所光学校正室で,400 nmから650 nmの光を50 nm刻みで撮像することで,各波長のカメラ感度特性を計測した.本研究では近赤外に近い発光を観測する場合があるため,実験に用いたカメラは赤外線カットフィルターを取り外している.比較のため,赤外線カットフィルター有のカメラでも同様の計測を行い,600 nm付近から両者に大きな違いが出ることを確認し,両者の感度特性を得ることに成功した.
2021年の実験時に発生した撮影トラブルがあった.実験時は屋外で,氷点下の低温であったことが理由の一つと予想されるが,低温実験はできなかったため,室内実験では再現せず,原因は不明のままである.少なくとも今後の実験時には低温対策は必要であろうという結論に至った.
宇宙花火実験は2019年,2021年に実施された.2019年実験では2地点から宇宙花火を撮影することに成功し,中性大気風,イオンドリフト速度を見積もることができ,中性大気密度上昇の物理的成因を考える上での基礎データを得ることができた.一方,2021年実験では器材トラブルにより,1地点の観測データしか得ることができず,十分な情報を得ることができなかった.安定した観測と観測データ処理の自動化・高精度化が今後の課題である.
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