2020 Fiscal Year Research-status Report
粒子計算手法による衝突掘削物の放出角度決定機構の解明
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19K03955
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Research Institution | Chiba Institute of Technology |
Principal Investigator |
和田 浩二 千葉工業大学, 惑星探査研究センター, 主席研究員 (10396856)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 天体衝突 / 数値シミュレーション / イジェクタ / 掘削流 / 宇宙衝突実験 |
Outline of Annual Research Achievements |
固体天体上に隕石のような天体が衝突すると,衝突クレータが形成される.その際掘削された物質が放出される(放出物はイジェクタと呼ばれる) が,その放出角度を決定する機構は衝突探査によって天体の表層・内部状態を推定するうえで必要であるが,十分理解されていない.本研究では,衝突数値シミュレーションを通じて,衝突掘削物の放出角度が衝突・標的環境条件にどう依存するかを明らかにしてモデル化する. 2020年度においては,衝突シミュレーションを行う準備を整えつつ,貴重な観測データである「はやぶさ2」搭載衝突体による小惑星リュウグウへの衝突時に発生したイジェクタカーテンの解析を行い,成果を論文としてまとめた.そこでは,標的層粒子の粒径やボルダー分布などの粒径分布によって発生するイジェクタカーテンの見え方が異なるということが確認された.今後は,この知見を踏まえて数値シミュレーションを通して本課題に取り組んでいく.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2020年度はシミュレーションの準備はできつつあるが,COVID-19感染拡大の影響(大会運営委員長を務める地球惑星科学連合大会がオンライン開催を余儀なくされその対応準備に忙殺されたという事情も大きな要因)もあって,本格的な数値シミュレーションに取り組めていない.一方で,「はやぶさ2」における本物の小惑星上での衝突実験の解析を進め論文化したことは,今後のシミュレーションを進め,より大きな成果を得られることになると期待される.
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度以降は,形成された標的に対して様々な衝突速度・衝突体(サイズ,密度)を衝突させるシミュレーションを実行していく.シミュレーション結果の解析においては,掘削流をはじめ圧力・密度分布等も可視化し,圧縮・非圧縮領域の把握やそれによる粒子の運動制約など物理的描像を明確にしながら,Z-モデルとも比較しつつ,そのパラメータ依存性を明らかにする.また,「はやぶさ2」の宇宙衝突実験で得られたデータとも比較することで,結果の妥当性を確認する.
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Causes of Carryover |
COVID-19のパンデミックにより海外含め学会・研究会参加が難しくなったため,旅費として計上していた経費が不使用となった.これらは次年度以降の旅費に回すこととする.
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Research Products
(10 results)