2021 Fiscal Year Research-status Report
Revealing the star and planet formation processes with high-resolution spectroscopy
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19K03957
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Research Institution | National Astronomical Observatory of Japan |
Principal Investigator |
高木 悠平 国立天文台, ハワイ観測所, RCUH職員 (80648973)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 星・惑星形成 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでに明らかにされてきている惑星系の形成の様子から、惑星系の形成過程を明らかにするためには、中心の星や原始惑星系円盤の各種物理量を正確に求めることが重要である。これらの物理量のうち、系が誕生してからの経過時間(すなわち年齢)は、惑星系の進化プロセスを理解する上で非常に重要である。惑星系は数百万年から一千万年の時間をかけて進化するため、各惑星系の年齢を正確に求め、惑星系同士を比較することで、その進化過程を明らかにすることができる。 本研究では、惑星系の形成過程にある主星に対し高分散分光観測を行い、主星の有効温度や表面重力を詳細に求めることで年齢決定を行っている。若い星は進化とともに収縮するため、星表面の重力(星の密度)を求めることで、若い星や惑星系の年齢を明らかにすることができる。また、表面重力から年齢を求める方法は、星までの距離等の不定性の影響を受けないため、より正確に年齢を求めることができる。 これまでの研究結果より、星形成領域ごとに円盤の進化タイムスケールが異なることがわかっている。地球に最も近い星形成領域の一つであるおうし座分子雲では、原始惑星系円盤が散逸するまでにおおよそ250万年必要であるが、一方でへびつかい座分子雲ではおうし座のおおよそ半分である120万年で原始惑星系円盤が散逸してしまうことがこれまでに明らかになった。このような領域ごとの違いを生む要因を明らかにするため、観測対象領域をおおかみ座分子雲やペルセウス座にある星形成領域に広げてデータを取得し、現在データ解析を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
惑星系の形成過程の研究を推進するためのデータの取得に一部遅れが生じているため、進行はやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
観測対象とする星形成領域にある惑星系のデータを取得しつつ、データ解析を進めて、惑星形成過程の違いを生む要因を明らかにする。その要因の一つとして金属量の違いが考えられるが、これまで取得したデータから金属量決定が行えるため、惑星系の年齢の決定と並行して金属量決定を進める。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルスの流行により学会や研究会への参加が困難となったため、旅費等の執行が計画通りに行えなかった。次年度使用額と2022年度請求額は、2022年度に実施予定の研究会等の参加費や、論文投稿の費用として使用する。
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