2022 Fiscal Year Annual Research Report
水惑星全球雲解像モデルで再現されるマッデン・ジュリアン振動とその環境場への感度
Project/Area Number |
19K03966
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
宮川 知己 東京大学, 大気海洋研究所, 准教授 (80584979)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | マッデン=ジュリアン振動 / 水惑星 / 環境場 |
Outline of Annual Research Achievements |
現実の地球において観測されるマッデン・ジュリアン振動(MJO)の東進をよく再現する全球雲解像モデルNICAMによる数値計算の結果を用いて、MJOを変質させうると指摘されている環境場の代表的な要素についての解析を進めた。前年度までの結果から、MJOの対流活発域に生じる相関規模の渦擾乱の下層風に伴う海面からの潜熱供給がMJOの東進速度に大きく左右するが故に、渦擾乱の再現性にも影響するモデル水平解像度への依存性の大きな原因となっていることが示唆されていた。MJOの環境場のうち海面水温の東西構造の違いがこの効果を強める可能性が考えられたが、関連する課題との共同で実施した大規模なアンサンブルMJO実験において、異なる東進特性を持つMJO事例間で海面水温の東西構造を取り替えた実験を行うとMJO東進の確率分布もほぼ入れ替わることが確認された。また、東進が早いか遅いか分岐するような確率分布を有するMJO事例においては、中緯度のロスビー波の屈折が起こるかどうかが東進速度を左右することがわかった。 関連する課題との共同で実施した、220 km および 14 kmの水平解像度に設定したNICAMによる水惑星15年実験の結果から、MJOだけでなく環境場自体の温度・水蒸気構造もまた水平解像度への依存性が大きいことが示された。本研究の設定においては高解像度の実験結果の方が雲被覆が小さく、暖かく大気中の水蒸気量の多い背景場となっていた。このような傾向の地軸傾斜角(0°, 23.5°, 45°, 60°)への依存性も確認された。 さらに、水惑星実験において対流圏中層にトップを持つ比較的浅い対流に伴う運動量輸送の効果を異なるモデル間で比較する国際プロジェクトに参加し、NICAMによる実験データ作成の一部を担当した。
|
Research Products
(14 results)
-
-
-
-
-
-
-
-
[Presentation] Large ensemble simulation for investigating predictability of precursor vortices of Typhoon Faxai in 2019 with a 14-km mesh global nonhydrostatic atmospheric model2022
Author(s)
Yamada, Y., Miyakawa, T., Nakano, M., Kodama, C., Wada, A., Nasuno, T., ChenY.-C., Yamazaki, A., Yashiro, H., Satoh, M.
Organizer
ACM2022
Int'l Joint Research / Invited
-
-
-
-
-
[Presentation] Global sub-5km mesh Model Intercomparison (DYAMOND2) and Highlighted Experiments on Supercomputer Fugaku2022
Author(s)
Tomoki Miyakawa, Daniel Klocke, Yohei Yamada, Florian Ziemen, Tamaki Suematsu, Daisuke Takasuka, Masuo Nakano, Ryusuke Masunaga, Chihiro Kodama, Hisashi Yashiro, Takao Kawasaki, Takemasa Miyoshi, Takanori Kodama and Julia Duras
Organizer
AGU 2022
Int'l Joint Research
-