2020 Fiscal Year Research-status Report
Post-wildfire Ground Deformation over Permafrost Areas: Detection and Modeling of Spatial-Temporal Changes
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19K03982
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| Research Institution | Hokkaido University |
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Principal Investigator |
古屋 正人 北海道大学, 理学研究院, 教授 (60313045)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
蟹江 俊仁 北海道大学, 工学研究院, 教授 (10332470)
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| Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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| Keywords | 永久凍土 / 合成開口レーダー干渉法 / 森林火災 / シベリア / 地盤変動 / サーモカルスト / InSAR |
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| Outline of Annual Research Achievements |
サハ共和国バタガイ近郊で2014年に発生した森林火災跡地の地盤変動の時空間変化をALOS-2とSentinel-1のInSAR画像から検出し、それらのシグナルの特徴を火災深刻度、微細地形と比較しながら解釈した。また不凍水の移動で凍上を説明するPremelting理論を用いて、現実的な浸透率の仮定によって凍上速度を説明することが出来た。
2014年火災に伴う地盤変動については火災直前と直後の地盤変動は明らかにされていなかったが、周辺では2018年、2019年、2020年にも森林火災が発生し、2014年火災跡の研究では不明だった火災直後の地盤変動(凍土融解)の様子を捉えられるチャンスを得た。従来アラスカの森林火災前後では干渉性が劣化し、InSARデータは得られないとされてきたが、バタガイでは火災をまたぐ二つの独立なInSAR画像の取得に成功し、整合的な空間分布を示すことから、現実の何らかの変位シグナルを検出している可能性が高い。ヤナ川対岸の2019年火災跡は空間的に不均一な変位を示しており、最大で15cmの沈降がある一方で、殆ど変形していないところもあった。一方でバタガイの有名なメガスランプ周辺の火災跡地では、2018年と2019年の両方の火災で、夏季に火災直後に2-4cm沈降した後で、その沈降量を上回る凍上を検出した。地表付近の水理環境が沈降量と凍上量を左右していると考えられる。
一方，2014年火災跡地を対象とした広域数値シミュレーションについては，鉛直方向の熱伝導による凍結融解解析と，水平二次元の有限差分地下水流動モデルを組み合わせた疑似三次元モデルにより解析を進めており，地表の隆起や沈下などの観測データとの比較を通じて検証を行っている．
2019年9月には現地調査も実施し、融解深測定や土壌温度、水分のデータロガーも設置して、2020年は現地の共同研究者からデータを回収してもらった。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2020年度から蟹江俊仁氏に分担者として加わっていただき、InSARデータのモデリングにも本格的に着手し始め、疑似三次元の数値シミュレーション結果は観測データと比較的良い整合性を見せており，概ね予定通りの進捗となっている．
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| Strategy for Future Research Activity |
2018, 2019, 2020年のバタガイ周辺の森林火災に伴う地盤変動データを引き続き、ALOS2とSentinel-1で追跡する。2014年火災跡における地盤変動データからは明らかになっていなかった初期の地盤変動について詳細を明らかにする。
当初は明示的に予定していなかった現地調査を2019年に開始した。予備的な調査だったが貴重な融解深データを得ることができたが、コロナ禍で2020年は我々自身では調査ができなかった。そのためロシアの共同研究者に一部のデータ回収は依頼した。今後もコロナ禍の影響を受けそうであるが、現地調査や海外出張の代替としてALOS2の高空間分解能モード(有償)の画像を取得し、現地調査に匹敵する空間分解能での変動検出を目指す。
数値シミュレーションにおいては，降水量や積雪による断熱効果など現時点では見込まれていない適切な環境パラメータの取り込みを予定しており，解析精度と汎用性のさらなる向上を図る予定である．
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