2022 Fiscal Year Annual Research Report
有珠山の次期噴火予測対応研究:洞爺カルデラと有珠山の全噴火史解明
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19K03983
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Research Institution | Muroran Institute of Technology |
Principal Investigator |
後藤 芳彦 室蘭工業大学, 大学院工学研究科, 准教授 (20221252)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 有珠山 / 洞爺カルデラ / 噴火史 / エボリューション |
Outline of Annual Research Achievements |
(1)有珠山の全噴火史解明:有珠山の全噴火史を解明するため、有珠山の東方地域においてトレンチ調査を行った。トレンチ調査では、2022年5月から10月に行い、1663年の寛文噴火から、プレ明和噴火、明和噴火、文政噴火、嘉永噴火、明治新山噴火、昭和新山噴火、1977年噴火、2000年噴火までのテフラ層序の再検討を行った。その結果、東丸山潜在ドームが1663年の寛文噴火で形成されたことが明らかになった。東丸山潜在ドームはこれまで形成年代が解明されておらず、この調査・研究により、有珠山の全噴火史について、大きな進歩があった。また、この調査・研究により、プレ明和噴火のテフラが有珠山東方地域に分布していることが判明した。プレ明和噴火のテフラは有珠山の北方にのみ分布していると考えられていた。今回の調査・研究により、有珠山の全噴火史について、大きな進歩があった。 (2)洞爺カルデラの湖底調査:洞爺カルデラのエボリューション(進化)を理解するため、洞爺カルデラの湖底(カルデラフロアー)の地質学的調査を行った。この調査は、2022年7月にカルデラ湖の湖底2ヶ所で行った。1ヶ所は中島北東の水中ドームであり、もう1ヶ所は観音島ドームの基底部である。中島北東の水中ドームでは、湖底のドームの水中写真撮影と岩石サンプルの採取を行った。観音島ドームの基底部では湖底に広がる堆積岩の水中写真撮影と岩石サンプルの採取を行った。 (3)洞爺カルデラとサントリーニカルデラの比較:2022年6月にギリシャのサントリーニカルデラの野外調査を行い、洞爺カルデラとサントリーニカルデラの比較を行った。 研究成果の公表では、2022年6月にギリシャ・イラクリオンで開催された国際学会(Cities on Volcanoes 11)、2023年2月にニュージーランド・ロトルアで行われた国際学会(IAVCEI)にて発表を行った。
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