2019 Fiscal Year Research-status Report
Rock magnetic studies in evaluating thermal history of hot springs in active volcanic areas: Case studies from Mn wad deposits in Hokkaido, Japan
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19K03989
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
川崎 一雄 富山大学, 学術研究部都市デザイン学系, 准教授 (60624806)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
酒井 英男 富山大学, 理学部, 客員教授 (30134993)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 古地磁気 / マンガン土 / 北海道 / 温泉水 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,活火山地域の温泉水から微生物作用により恒常的に沈殿する二酸化マンガン(マンガン土)を対象に,古地磁気・岩石磁気学の手法から,堆積環境や堆積年代を推定し,火山静穏期を含む火山活動の推定を試みる.当該年度は,初年度として,北海道駒ケ岳の麓にある旧駒の湯温泉を対象に,野外調査を実施し,古地磁気分析用試料を採取した.帯磁率異方性の測定結果,一部の試料において,層状異方性の卓越が認められ,異方性の方向から,古流向を示唆する結果を得た.また,全ての採取試料に対して自然残留磁化測定と段階交流消磁を行った.概ね北方向を示したが,段階交流消磁では不安定な成分を示す試料が多く,さらなる解析が必要である. また,マンガン土の岩石磁気特性を明らかにするため,マンガン沈殿器具を作成・設置し,3ヶ月毎に沈殿試料を回収した.沈殿試料の低温磁気分析の結果,古地磁気用に野外採取したマンガン土試料とは異なる磁気特性が認められた. さらに,他地域でのマンガン土の研究に向けて,同様な温泉水起源である島根県三瓶山からマンガン土試料を採取し,古地磁気・岩石磁気解析を行った.マンガン土を含む火山灰層では,安定な磁化成分が認められ,琵琶湖から報告されている地磁気永年変化曲線と得られた平均固有残留磁化成分の対比から,三瓶山近傍の温泉水の活動履歴を推定した.また,マンガン土の磁気特性を検討するため,堆積性熱水鉱床の岩石磁気分析を実施し,試料採取候補地である北海道阿寒湯の滝マンガン土の情報整理を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度として,北海道駒ケ岳の麓にある旧駒の湯温泉を対象に,野外調査を実施し,7ccプラスチックキューブを用いて定方位で古地磁気分析用試料を採取した.また,試料沈殿器を作成・設置し,一定期間毎に沈殿したマンガン土試料を回収した.古地磁気用試料では,自然残留磁化の測定と帯磁率異方性の測定を終えて,すべての試料に対して,段階交流消磁を行い,古地磁気解析の段階まで達した.また,沈殿マンガン土試料に対しては,低温磁気分析を行い,マンガン土試料内の沈殿速度と磁気特性の変化を検討している. また,汎用性の検証として,島根県三瓶山でのマンガン土試料の採取も実施し,自然残留磁化,帯磁率異方性,段階交流消磁を行った.古地磁気解析の結果,マンガン土を含む火山灰層から安定な固有磁化成分を同定でき,温泉水の活動履歴を推定できた. マンガン土の堆積が認められる2箇所で試料採取を行い,古地磁気分析に必要な主要な測定はほぼ終えたため,初年度の研究進捗状況として,概ね順調に進展していると判断される.
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Strategy for Future Research Activity |
初年度に旧駒の湯温泉で採取・測定した試料に対して,再解析を行い,安定な磁化成分の同定を試みる.また,初年度に設置したマンガン沈殿器具を回収し,マンガン沈殿試料の岩石磁気分析を行い,初年度で得た結果と統合してマンガンの沈殿と磁気特性の関連性を検討する. 新たな地点で同様なマンガン土・マンガン沈殿物を対象とした試料採取・磁気分析を実施し,令和元年度に得られた結果と対比・検討を行うことで,温泉水の活動期間と環境変化の解明を目指す.また,マンガン鉱石や堆積性熱水鉱床の岩石磁気特性を明らかにし,温泉水から沈殿するマンガン土に固有な磁気特性があるか検討する.学会等に溶いて研究の途中成果を紹介し,得られた結果について議論を深めていく予定である.
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Causes of Carryover |
当該年度は,試料採取器具の作成や実験試料の準備など調査・測定方法を確認しながら実施したため,当初予定より試料数及び実験消耗品が少なくすんだ.次年度は,当該年度に得られた結果を踏まえて測定を実施していき,またそれに合わせて機材の導入を計画しており,支出額も増加する計画となる.旅費について,新型コロナウィルスによる県外調査自粛のため,当該年度末に実施する予定であった調査旅費を使用しなかった.当該年度に計上していた予算は繰り越して,次年度以降に改めて調査を実施する予定である.
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Research Products
(1 results)