2023 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19K04020
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
福間 浩司 同志社大学, 理工学部, 准教授 (80315291)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 久敏 一般財団法人電力中央研究所, 原子力リスク研究センター, 上席研究員 (50371406)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 古地球磁場強度 / テリエ法 / 地磁気永年変化 / 球面調和モデル |
Outline of Annual Research Achievements |
過去400年間について羅針盤のデータから地球磁場方位がグローバルに復元されている.一方,地球磁場強度は過去150年間においては機器測定データが存在するが,それ以前は考古遺物や火山岩から得ることができる古地球磁場強度データに拠ることになる.私たちは試料採取と実験室での測定の両面から,古地球磁場強度の精度を機器測定に匹敵するレべルまで引き上げ,過去400年間の地球磁場フルベクトルを復元することに注力してきた.年代が精度よく求められている火山岩の急冷部を採取し,加熱・冷却部と測定部が一体となった自動スピナー磁力計を使用して,温度ステップを柔軟に設定して24時間効率的に測定を進めてきた. 南インド洋のレユニオン島で採取した溶岩試料を用いてテリエ法による地球磁場強度を求める測定を行った.溶岩の上部もしくは下部クリンカから採取した試料は単磁区粒子に近い磁気ヒステリシス特性を示し,地球磁場強度を求めるのに適した試料であることがわかった.事前の熱消磁から定めた温度区間を用いて古地磁気強度測定を行った.厳格な判定基準に従い解析を行った上で,12地点中10地点で平均古地球磁場強度を求めることができた.古地球磁場方位もサイトで集中しており,冷却時の信頼できる地球磁場の方向を記録していることがわかった.その結果,過去1000年間の南インド洋における地球磁場の方向と強度について連続的な変化を求めることができた. データベースに収録されている考古遺物からの古地球磁場強度データをコンパイルし,東アジアの古地球磁場強度の変化がヨーロッパのデータを中心にまとめられた球面調和モデルARCHとよく一致することがわかった.南インド洋のレユニオン島の過去1000年間の古地磁気データもARCHと調和的であり,ヨーロッパ - 南インド洋 - 東アジアの地球磁場強度が1つのモデルで復元できるようになった.
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Research Products
(7 results)