2021 Fiscal Year Research-status Report
Relationship between explosivity and driving force of eruption inferred from conduit geometry
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19K04024
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
下司 信夫 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 地質調査総合センター, 研究グループ長 (70356955)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 噴火 / マグマ上昇速度 / 火道 / 三宅島 / 桜島 |
Outline of Annual Research Achievements |
三宅島における過去の割れ目噴火の位置・年代および噴火様式について現地野外調査等を行い,過去約2500年間の噴火活動推移について解析を行った.特に,おおよそ7世紀以降の噴火活動について,割れ目噴火の位置及び規模,爆発性について基礎的な情報を完備し,その成果を論文として公表した(Geshi et al. 2022, Evolution of the magma plumbing system of Miyakejima volcano with periodic recharge of basaltic magmas. Earth Planet and Space誌).とくに,7世紀すおう穴噴火,9世紀雄山噴火の二つの大規模な割れ目噴火についてその規模および噴火様式について新たな知見を加えた. また,歴史時代の爆発的な割れ目噴火の事例として桜島1914年噴火および1791年噴火の噴出物の解析を実施し,昨年度実施した測地による割れ目規模の推定とあわせて,マグマの噴出率や上昇速度についての解析を実施し,予察的な結果を得た.割れ目噴火噴出物の斑晶中にみられるガラス包有物およびガラス湾入部の含水量に着目し,噴火時の減圧速度の推測からマグマ上昇速度の推測を試みた.その結果,1914年噴火噴出物中にマグマが火道内を上昇する際の減圧を記録したと考えられる水拡散プロファイルの抽出に成功した.一方,三宅島の割れ目噴火噴出物への本手法の応用を試みたが,試料を検討した結果,主に玄武岩質マグマである三宅島噴出物は斑晶包有物およびガラス湾入部のガラスが結晶化している事例がほとんどであることが判明し,含水量プロファイルの抽出には昨年度末の段階では成功していない.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2020年度に引き続き,コロナ感染症拡大による離島の野外調査の実施に困難があること,および研究成果の国際学会における公表が困難であることから,当初計画における研究実施内容に未達成な部分がある.特に,海外噴火事例の調査については依然実施の可能性が見通せず,桜島1914年噴火などの国内事例の解析に変更して研究課題を実施している. 一部の研究成果については学会発表に代えて国際誌における論文公表を行った.当初計画に加えて,割れ目噴火におけるマグマ上昇速度の推測を試み,桜島の事例では予察的な解析を行うことができた.
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き野外調査の困難が予想されるため,桜島などの国内における爆発的割れ目噴火事例を用いた解析を行うとともに,海外学会での成果発表に代えて論文等による成果発表を行う.
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症拡大対策として野外調査の実施が引き続き困難であり,とくに当初予定していた海外事例の野外調査および海外学会における研究発表についてはいまだに実施の見通しが立たない状況にあるため,当初予定していた現地調査及び研究発表のための旅費の差額が生じている.2022年度も引き続き感染症状況に劇的な改善が見られないため,桜島1914年噴火など国内における類似事例の現地調査に切り替えることで,研究目標の遂行を試みるため,国内旅費等の経費として使用予定である.
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Research Products
(1 results)