2023 Fiscal Year Annual Research Report
Relationship between explosivity and driving force of eruption inferred from conduit geometry
Project/Area Number |
19K04024
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
下司 信夫 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 地質調査総合センター, 研究グループ長 (70356955)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | マグマ溜まり / 爆発的噴火 / 割れ目噴火 / カルデラ陥没 |
Outline of Annual Research Achievements |
爆発的噴火の割れ目火道の構造を用いたマグマの過剰圧の推定や、その爆発性などの評価のため、爆発的割れ目噴火の事例について調査を行った.観測事例がともなう爆発的割れ目噴火の事例として、桜島大正噴火の噴火割れ目の構造を検討した.過去の地盤変動に基づく割れ目モデルのコンパイルと比較を行い、それらから得られた割れ目火道の規模などと、噴出物の層序やそれに沿った微細組織の変化から推測されるマグマ噴出率などとの比較をおこなった.マグマ減圧速度と噴出率、それに必要なマグマ過剰圧などの検討を,実際の噴出物の解析をもとに実施した.また、文献記録による噴火前の異常から推測される火道形成過程と、噴出物に記録されたメルト包有物の含水量や含水量プロファイルから得られるマグマ減圧率の比較検討を行い、マグマの上昇に伴う割れ目の形成過程を検討した.その結果、桜島大正噴火では、深さ数㎞の浅所に滞留していたマグマが、母岩を裂断して岩脈を形成するための過剰圧を獲得し、その過剰圧によって割れ目を通って急速に上昇したマグマが初期の軽石噴火となり、その後の過剰圧の低下によって上昇速度が低下したマグマによって軽石噴火後の火山灰放出期の活動が駆動されたとのモデルを提示することができた.マグマ貯まりの過剰圧の獲得とそれに伴う割れ目噴火の発生が陥没カルデラの前駆過程としても重要であることを姶良カルデラ・鬼界カルデラの事例から明らかにし、これら爆発的噴火によるマグマたまりからのマグマの抽出とマグマ溜まりの減圧過程、それに伴うカルデラ断層の活動のタイミングについて国際学会で議論するとともに、論文としてとりまとめた.
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