2021 Fiscal Year Annual Research Report
Impacts of initial microfracture distributions and stress conditions on permeability of induced faults
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19K04042
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
上原 真一 東邦大学, 理学部, 教授 (20378813)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 岩石室内実験 / 透水性 / 断層 / 破壊 / ダメージゾーン / 断層ガウジ帯 / 亀裂 / 透水実験 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度までに引き続き,インドRajasthan産の砂岩について,650℃での加熱・冷却処理によって,間隙率の異なる3種類の試料,intact(未処理,間隙率11.5±0.36%),650deg_slow(間隙率12.3±0.36%), 650deg_rapid(間隙率13.3±0.37%)について,封圧10 MPa下で軸変形させたときの応力-ひずみの関係,変形前後の透水特性の変化,および生成された断層の内部構造(断層ガウジの幅Wg,ダメージゾーンの幅Wd)を調べ,岩石中の初期亀裂の分布が,それらの特性にどのように影響するかについて検討した.Wgは,実験後の試料について偏光顕微鏡で観察して評価した.Wdは,偏光顕微鏡とSEMの観察結果から,石英の粒内亀裂密度と断層中心部からの距離の関係を求め,それに基づいて評価した. Wgは,650deg_slowと650deg_rapidを比べると,差応力の急激な低下直後(断層生成直後)で実験を停止した試料については,両者に大きな違いは見られなかった(平均約0.2 mm)が,低下後1 mm程度変位させた場合,650deg_slowはあまり変わらなかったのに対し,650deg_rapidは約1.5倍になった.Wdは,intactと650deg_slowで約5 mmであったのに対し,650deg_rapidは約7 mmであった.これらの結果は,初期亀裂の量が多いほど,断層生成時,あるいはその後の変位の際のダメージゾーンや断層ガウジの発達が顕著になる可能性を示す.断層形成前後の試料の透水特性に関しては,intactでは有意な変化が見られなかったのに対し,650deg_slowと650deg_rapidでは,断層形成後に透水性が増加する傾向が見られた.これは断層ガウジとダメージゾーンの分布およびそれぞれの透水性の違いを反映していると考えられる.
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Research Products
(1 results)