2021 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of inland tectonic stress distribution based on in-situ crustal stress measurements by means of DRA method
Project/Area Number |
19K04045
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Research Institution | National Research Institute for Earth Science and Disaster Prevention |
Principal Investigator |
小村 健太朗 国立研究開発法人防災科学技術研究所, 地震津波防災研究部門, 特別技術員 (90399361)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | コア変形法 / 原位置地殻応力 / 岩石コア / 大阪平野 / 広域応力場 |
Outline of Annual Research Achievements |
日本列島の原位置の絶対応力に関するデータ,特に深さ100mを越える深部データは,陸域においても,数少ない状況にあるなか,掘削で採取された岩石コアを用いた地殻応力測定法を適用し,信頼性の高い地殻応力データをはばひろく取得することを目指し,昨年度整備した岩石コア直径測定装置を用い,実例として防災科学技術研究所の,大阪平野にある深層地殻活動観測井の原位置地殻応力測定をコア変形法(DCDA法, Diametrical Core Deformation Analysis法)を適用して実施した. 大阪府の此花観測井の基盤に達する深度2035.5mコアと田尻観測井の同じく基盤となる深度1202.4mおよび1494.8mコアを用いた.採取後,10年以上経過したものではあるが,外周にそって直径がサインカーブ状に変化し,岩石コア断面が応力開放にともない楕円状に弾性変形していることが示され,コア変形法の適用可能と判断した.一方,計測された岩石コアそのものではないが,近接する岩石コアの岩石強度試験結果から,ヤング率とポアソン比を求めた.弾性変形量と弾性定数をコア変型法の理論式にあてはめて,応力値を求めたところ,~60 MPaから100MPaを越える差応力値となった.この値は,過去周辺の,応力解放法,水圧破砕法等の孔井内原位置地殻応力測定の結果と比べて,大きな値となっている.応力方位は、ボアホールテレビュア検層から,孔壁にボアホールブレイクアウトが観察され,周辺の広域応力場の方位に整合的で,水平最大圧縮応力方位は,ほぼE-W方向となった. 本研究結果から,孔井掘削において岩石コア採取と孔壁画像検層が実施され,条件が適合して,ボアホールブレイクアウトが観察されれば,原位置地殻応力の値と方位をともに計測できるという新しい原位置地殻応力測定手順が示されたものと考える.
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