2022 Fiscal Year Research-status Report
Reconstruction of paleoecology of extinct molluscs based on sessile organisms
Project/Area Number |
19K04063
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Research Institution | Kitakyushu Museum of Natural History and Human History |
Principal Investigator |
御前 明洋 北九州市立自然史・歴史博物館, 自然史課, 学芸員 (70508960)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 付着生物 / 穿孔生物 / 軟体動物 / 古生態 / 中生代 / 白亜紀 / アンモノイド |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、付着・穿孔生物をもとに、その基盤となった中生代軟体動物の古生態を解明することを目的としている。 2022年度は、和歌山県の外和泉層群・物部川層群(5月16日~20日、9月24日~30日、1月18日~23日、3月17日~22日)や、北海道の蝦夷層群(7月14日~24日)、鹿児島県甑島の姫浦層群(11月9日~15日)、岩手県の宮古層群(3月5日~8日)での調査を実施し、付着・穿孔生物を伴う軟体動物化石を多数採集した。具体的には、和歌山県では、穿孔生物を伴う白亜紀後期の軟体動物化石のほか、付着生物を伴う白亜紀前期の軟体動物を採集した。北海道や鹿児島県では付着生物や穿孔生物を伴う白亜紀後期の軟体動物の化石を、岩手県では付着生物を伴う、比較的浅い環境で暮らしていた白亜紀前期の軟体動物の化石を採集することができた。また、付着・穿孔生物を伴う軟体動物化石のクリーニング作業を進めた。和歌山県では、本研究課題の調査中に、付着・穿孔生物とは異なるが、恐竜化石を発見し、その成果については和歌山県立自然博物館から発表され新聞やテレビ等でも報道されたほか、同館で展示もおこなわれた。 さらに、これまでの研究成果に関する投稿論文の執筆も進め、西南日本産の付着生物を伴うアンモノイドの進化過程に関する論文を投稿した。また、穿孔生物を伴う軟体動物の古生態に関する論文の原稿を完成させたが、この論文については、調査地域の地質に関する別の共著論文の掲載を待ってから投稿予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2020年度から2021年度にかけての2年間、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、予定していた野外調査の多くが実施できなかった。野外調査ができなかった期間は室内作業を進めたのに加え、2022年度は多くの野外調査をおこなったものの、およそ2年間、予定していた野外調査がおこなえなかった影響は大きく、このような評価となった。
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Strategy for Future Research Activity |
およそ2年間、予定していた野外調査がおこなえなかったが、研究期間を1年間延長することにより、2023年度に数回の野外調査を実施し、付着・穿孔生物を伴う軟体動物化石の採集をおこなう。また、採集標本のクリーニングや観察・解析を進め、準備が整ったものから順次、論文の投稿をおこなう。
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Causes of Carryover |
2022年度は予定通り調査をおこなったものの、新型コロナウイルス感染症拡大により2020年度と2021年度に予定していた野外調査のいくつかがおこなえず旅費の支出が少なくなった影響から、次年度使用額が生じた。1年間研究期間を延長することにより、2023年度にこれまでおこなえなかった分の野外調査を実施し、未使用分を支出する予定である。
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