2023 Fiscal Year Annual Research Report
Reconstruction of paleoecology of extinct molluscs based on sessile organisms
Project/Area Number |
19K04063
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Research Institution | Kitakyushu Museum of Natural History and Human History |
Principal Investigator |
御前 明洋 北九州市立自然史・歴史博物館, 自然史課, 学芸員 (70508960)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 付着生物 / 穿孔生物 / 軟体動物 / 白亜紀 / 古生態 / 進化 / アンモノイド |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、付着・穿孔生物をもとに、その基盤となった中生代軟体動物の古生態を解明することを目的としている。 2023年度は、和歌山県の外和泉層群・物部川層群(6月3日~10日、12月11日~12日、12月31日、3月22日~26日)や、北海道の蝦夷層群(7月10日~23日)、鹿児島県甑島の姫浦層群(11月10日~17日)での調査を実施し、付着・穿孔生物を伴う軟体動物化石を多数採集した。また、付着・穿孔生物を伴う軟体動物化石のクリーニング作業を行った。 和歌山県の外和泉層群や四国・淡路島の和泉層群から産出するノストセラス科アンモノイドのDidymoceras morozumii、Didymoceras awajiense、Pravitoceras sigmoidaleは、付着生物であるナミマガシワ科二枚貝との共生関係を維持したまま、この順に進化したと考えられているが、この進化における形態変遷の詳細を明らかにした論文が受理・公開された。この論文では、これらのアンモノイドの進化に伴う形態の変化が急速かつ劇的である一方で連続的なものであったことを述べた。この内容については、学会での発表も行った。さらに、付着・穿孔生物ではないが、本研究による北海道での野外調査中に発見した3つのコレオイド類顎化石についての論文が受理・公開された。その他、鹿児島県甑島の姫浦層群から未記載のアンモノイドを数点採集しており、それらの殻表面にはしばしば付着生物も見られるが、これらのアンモノイドの分類学的検討を進め、その内容について学会発表を行った。
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