2021 Fiscal Year Annual Research Report
骨梁剛性・異方性マルチスケール構造特性に基づく海綿骨骨折リスク
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19K04083
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| Research Institution | Hokkaido University |
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Principal Investigator |
山田 悟史 北海道大学, 工学研究院, 助教 (90730169)
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2019-04-01 – 2022-03-31
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| Keywords | バイオメカニクス / 骨組織 / 海綿骨 / 骨梁 / マイクロアーキテクチャ / 力学特性 / 剛性 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
骨粗鬆症の予防・診断・治療には、海綿骨の骨折リスクの正確な評価が重要であり、骨密度を含む構造的・力学的な因子を明らかにすることが重要となる。本研究では、海綿骨剛性と骨梁ネットワーク構造特性、骨梁の力学特性とナノ構造特性に着目し、これらの特性とその相互関係を明らかにすることを目的とした。補助事業期間全体を通して、以下の成果を得た。
（１）海綿骨構造を対象に、骨梁の圧縮・曲げ剛性とラーメン構造に関わる骨梁の形状、配向、分岐パターンの解析手法を開発した。ウシ海綿骨試験片を用いて、海綿骨剛性に対する骨梁形状、配向、分岐特性の寄与を整理した。各骨梁の形態および形状の解析手法を考案し、これを統合した海綿骨骨梁ネットワーク構造の形態・幾何学的解析法を開発した。本手法により海綿骨剛性の予測精度が向上することを示した。
（２）乾湿両環境での計測が可能な骨梁弾性率計測システムを開発した。ウシ骨梁試験片を用いて、自然乾燥状態と再水和による湿潤状態の弾性率を計測した結果、弾性域の線形性、再水和による有意な減少、両状態間の有意な正の相関を示した。高齢ウシの骨梁弾性率を調査した結果、若齢に比べて低下する傾向が確認され、海綿骨剛性への影響が示唆された。また、連続的負荷と自動解析が可能な計測システムを構築した。可変範囲において、骨梁弾性率がたわみ速度に依存しないことを示した。
（３）ウシ骨梁試験片を用いて、広角Ｘ線回折および小角Ｘ線散乱計測により、骨梁組織内のハイドロキシアパタイト結晶とコラーゲン線維の配向性を明らかにした。若年ウシでは、骨梁弾性率と分子・結晶配向性に有意な相関は認められなかった。
以上より、海綿骨強度特性に対する重要な構造的・力学的特性を明らかにした。今後、本研究で開発した手法を応用し、海綿骨の圧縮破壊特性とこれに及ぼす構造的・力学的因子の解明や加齢・疾患による変性様態の解明が課題となる。
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Research Products
(4 results)
