2019 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
19K04085
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
趙 旭 秋田大学, 理工学研究科, 講師 (20650790)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山口 誠 秋田大学, 理工学研究科, 准教授 (90329863)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | ナノコイル / 形状制御 / プラズマ処理 |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年度では、銀(Ag)ナノコイルの形状制御を目指して、線径、直径およびピッチの制御方法を確立した。エレクトロスピニングの諸実験条件を調整することにより、Ag被膜の基板材となる樹脂ナノファイバの直径を制御できた。すなわち、Agナノコイルの線径を制御することに成功した。コイルの直径およびピッチ制御のカギとなる不整合ひずみエネルギーの解放によるAg膜の曲げ変形は、真空プラズマ処理による樹脂ナノファイバの分解消失を制御することによって達成した。ここで、真空プラズマ処理時間、ガス種およびプラズマの出力を調整し、ひずみエネルギーを拘束していた樹脂ナノファイバを選択的に除去した。これにより、「ナノ」および「コイル」創製を両立したうえで、さらにコイルの形状制御をでき、3次元ナノ構造体の形状制御の基盤技術を確立した。従来の3次元ナノ構造体の複雑な形状および創製過程に起因する形状制御が困難な問題を打開した。 なお、研究の進行状況が計画より進んでいたため、2020年度の研究計画の一部を前倒しで実施した。上記各種形状制御したAgナノコイルを透明ガラス基板に付着してラマン分光特性を測定した。ナノコイルの形状変化が光学特性に及ぼす影響を基礎的に検討した。なお、Agナノコイルと比較とする1次元ナノ材料の準備に対して、Agナノコイルと同程度のアスペクト比(長さ:線径)を有するAgナノファイバの大量・簡便作製法を考案した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初計画していた当該年度の研究内容を達成したうえ、次年度の研究計画の一部も実施したため。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画通り、Agナノコイルの形状制御の成果に基づき、種々の形状を有するAgナノコイルネットワークの機械・電気・光学特性を評価する。また、Agナノコイルの高伸縮性透明ヒーターおよび表面増強ラマン散乱への応用を展開していく。
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Causes of Carryover |
銀ナノコイルの形状制御実験が予想より進んでいたため、消耗品の使用も節約できた。次年度の特性評価実験に高性能基板および1次元材料の作製に使用予定である。
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Research Products
(1 results)