2021 Fiscal Year Annual Research Report
軟骨細胞/アルギン酸ファイバーによる3次元編み構造培養軟骨の創製技術の開発
Project/Area Number |
19K04097
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
森田 有亮 同志社大学, 生命医科学部, 教授 (80368141)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 軟骨再生 / アルギン酸 / 細胞ファイバー / 編み構造 |
Outline of Annual Research Achievements |
軟骨細胞を封入したファイバーを集積させることで,広範囲欠損に対し効率的な細胞分布をもった組織構築および細胞活性の長期維持を可能とするような軟骨細胞封入アルギン酸ファイバー編み構造体の紡糸技術の開発を行った.今年度は,軟骨細胞の活性向上を目指しヘパリン添加の影響について評価した.軟骨細胞の活性化のためヘパリンを添加した軟骨細胞封入アルギン酸ファイバーを集積することで軟骨編み構造体を作製した.1, 3, 5 w/v%のヘパリン添加において,いずれの添加濃度でも細胞生存率は80%以上であった.培養7日後の多光子励起顕微鏡観察およびサフラニンO染色観察より,編み構造体内において細胞周辺にコラーゲンおよびPGが産生されている様子が観察された.培養14日後では,産生されたコラーゲンとPGは,細胞周辺からファイバーに沿って広く分布し,またヘパリンの濃度の増加に伴い産生量が増加している様子が観察された.しかし,培養7日後の編み構造体ではヘパリン添加による細胞外基質(ECM)産生量に差は見られなかった.培養7および14日後のGAG/DNA測定において,いずれの添加濃度においても培養日数の増加に伴いECMは増加し,またヘパリン添加濃度の増加に伴いGAG/DNAが増加する傾向が観察された.しかし,ヘパリンを添加した場合のGAG/DNAはヘパリンを添加しない場合と比較してECM産生量が低くなった.本研究では全条件で80%以上の細胞生存率を確認していることからヘパリンの細胞毒性は極めて低いことが示されている.また,単位重量あたりのDNA量はヘパリン添加により増加しており,ヘパリン添加により細胞の増殖は促進されたと考えられる.培養初期においては,細胞増殖が促進された反面,基質産生が抑制されたことで,ヘパリン添加によりGAG/DNAが大きく低下したと考えられる.
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