2019 Fiscal Year Research-status Report
Study on high efficiency method of electrical discharge forming with microbubbles using resin mold made by three-dimensional printer
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19K04111
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Research Institution | Saitama Institute of Technology |
Principal Investigator |
小板 丈敏 埼玉工業大学, 工学部, 講師 (00750192)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 衝撃波 / マイクロバブル / 放電成形 / 水中放電 / 樹脂型 / 3Dプリンター |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、高価な金型を使用した放電成形の高コスト化の課題解決に対し、安価な型である3Dプリンタ造形樹脂型を使用し、放電誘起水中衝撃波とマイクロバブルの干渉による高圧力を利用した、樹脂型利用マイクロバブル活用放電成形の研究開発を目指している。 本年度の研究成果として以下の4点が挙げられる:(1)理論解析による、樹脂型利用マイクロバブル活用放電成形を可能とする、高圧力なリバウンド衝撃波を発生させるマイクロバブル直径の把握、(2)顕微鏡設置高速度カメラを用いた拡大撮影による金属剛体へのマイクロバブル付着現象の把握、(3)閉鎖空間の円筒容器を用いた水中放電成形への放電回数の影響の解明、および、(4)3Dプリンタ造形樹脂型の水中放電成形への適応を行った。 (1)理論解析より、樹脂型に設置する金属板に対して、放電エネルギー3.6 J、放電電極と板との間の距離9.0 mmの放電条件において、金属板に付着させるマイクロバブルの直径が40μmの場合、薄板に作用するマイクロバブルのリバウンド衝撃波のピーク圧力は12.5 GPaに達し、金属板の塑性変形が可能となることを把握した。(2)顕微鏡設置高速度カメラを用いた拡大撮影により、金属剛体にマイクロバブル直径40μmの気泡を1分間、付着させた場合、マイクロバブル同士が複数個、結合し、剛体には気泡径40μm以上の気泡がランダムに付着することを把握した。(3)閉鎖空間の円筒容器を用いた場合、放電回数の増加とともに放電成形が促進されることを解明した。(4)マイクロバブル付着なしの銅薄板に3Dプリンタ造形樹脂型を設置した水中放電成形の実証実験を行い、樹脂型の破壊がなく、放電誘起の水中衝撃波のピーク過圧と力積が増加するとともに、薄板の樹脂型に沿った塑性変形量が増加することを明らかとし、樹脂型を用いた放電成形を確立させた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初、2019年度に樹脂型利用マイクロバブル活用放電成形の実証実験を行う計画であったが、2020年度に実施することになった。本研究実績の概要での研究成果(2)より、マイクロバブル直径40μmの気泡を1分間、対象物に付着させた場合、マイクロバブル同士が複数個、結合し、対象物には気泡径40μm以上の気泡がランダムに付着することが判明した。よって、本実証実験を行うためには、放電成形の対象である金属薄板へのマイクロバブル付着の制御を行う必要が生じた。研究成果(2)により、マイクロバブルの結合に伴う気泡径の増加はマイクロバブルの付着時間に影響されることが判明したため、金属薄板へのマイクロバブル付着時間とマイクロバブルの結合の現象を把握する。そして、この現象把握による、最適なマイクロバブル付着時間を用いて、樹脂型利用マイクロバブル活用放電成形の実証実験を推進する。
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Strategy for Future Research Activity |
3Dプリンタ造形樹脂型を使用した樹脂型利用マイクロバブル活用放電成形の実証実験を行う。本実証実験を推進するために、対象物へのマイクロバブル付着時間とマイクロバブルの結合の現象を把握する。そして、この現象の把握による、最適なマイクロバブル付着時間を用いて、3Dプリンタ造形樹脂型に設置された銅薄板にマイクロバブルを付着させ、本実証実験を遂行する。本放電成形の詳細な実証を行うために,放電発光を抑えた放電現象可視化法を用いた可視化計実験により、マイクロバブルのリバウンド衝撃波による銅薄板の塑性変形過程の現象解明を行う。 そして、本実証実験を応用させ、同時多数成形を可能とする最適な放電エネルギーと放電深さ (放電電極と成形対象の銅薄板との間の距離)の調査実験を行い、樹脂型利用マイクロバブル活用放電成形法による同時多数成形の研究開発を推進させる。
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Causes of Carryover |
2019年度に樹脂型利用マイクロバブル活用放電成形の実証実験を行う計画であったが、2020年度に実施することになったため、本実証実験で必要となる放電成形の対象の銅薄板と放電成形で使用する精製水の使用額が次年度使用額として生じた。次年度使用額と翌年度分として請求した助成金を用いて、樹脂型利用マイクロバブル活用放電成形の実証実験、および、本実証実験を応用させた同時多数成形の研究開発を遂行する。
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