2021 Fiscal Year Research-status Report
Study on high efficiency method of electrical discharge forming with microbubbles using resin mold made by three-dimensional printer
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19K04111
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
小板 丈敏 早稲田大学, 理工学術院, 講師(任期付) (00750192)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 衝撃波 / マイクロバブル / 放電成形 / 水中放電 / 樹脂型 / 3Dプリンター |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、高価な金型を使用した放電成形の高コスト化の課題解決に対し、安価な型である3Dプリンタ造形樹脂型を使用し、放電誘起水中衝撃波とマイクロバブルの干渉による高圧力を利用した、樹脂型利用マイクロバブル活用放電成形の研究開発を目指している。 本年度の研究成果として,樹脂型利用マイクロバブル活用放電成形の制御に必要不可欠な金属剛体壁に付着したマイクロバブル直径の変化に対する、(1)放電誘起水中衝撃波の干渉を受けたマイクロバブルの収縮の気泡運動の解明、および、(2)理論解析によるマイクロバブル崩壊時の剛体壁に作用する気泡表面の圧力の推算を行った。 (1)顕微鏡設置高速度ビデオカメラを用いた可視化計測によって、剛体壁に付着した直径55.6、 64.8、139 μmのマイクロバブルに対して、電極間での放電エネルギー13.7 Jの放電条件で発生した水中衝撃波の干渉させた場合、マイクロバブル直径の増加とともに気泡崩壊までの時間は増加することが分かった。画像解析より、これら直径での崩壊時間はそれぞれ,3.2, 3.4, 5.0 μsであることが判明した。(2)これらマイクロバブル直径に対して、画像解析で得られた収縮する気泡半径の時間履歴を液体の圧縮性と壁面の影響を考慮した固体壁近傍の一次元球対称の単一気泡モデルの式に代入し、崩壊時の剛体壁に作用する気泡表面の圧力の理論解析を行った。解析より,気泡崩壊時のこれらマイクロバブルの表面圧力はそれぞれ、129、 238、5006 MPaであることが推算され、バブル直径の増加とともに崩壊時のバブル表面圧力が増加することが分かった。これら研究成果により、本放電成形を確立させるためには、金属板に付着させるマイクロバブルの直径を大きくすることで板壁面にバブル崩壊時の高圧力が作用し、金属板がより成形される可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初、2021年度に樹脂型利用マイクロバブル活用放電成形の実証実験を行う計画であったが、2021年度は本研究で必要不可欠な放電誘起水中衝撃波を発生させる電気パルス装置の故障にともない、本実験における再現性の確認のための実験が困難となり、2022年度に実施することになった。上記の理由より計画に遅れが生じたが、本年度の研究成果である水中衝撃波の干渉を受けるマイクロバブルの直径とバブル崩壊時間と崩壊時の壁面に作用する気泡表面圧力の相関を用いて、2022年度に樹脂型利用マイクロバブル活用放電成形の実証実験を推進する。
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Strategy for Future Research Activity |
3Dプリンタ造形樹脂型を使用した樹脂型利用マイクロバブル活用放電成形の実証実験を行う。昨年度の研究成果である水中衝撃波の干渉を受けるマイクロバブルの直径とバブル崩壊時間と崩壊時の壁面に作用する気泡表面圧力の相関を用いて、本実証実験を遂行する。本放電成形の詳細な実証を行うために、放電発光を抑えた放電現象可視化法および高速度ビデオカメラを用いた可視化実験を行い、マイクロバブルのリバウンド衝撃波による銅薄板の塑性変形過程の現象解明を行い、本放電成形法を確立の研究を推進させる。
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Causes of Carryover |
2021年度に樹脂型利用マイクロバブル活用放電成形の実証実験を行う計画であったが、2022年度に実施することになったため、本実証実験で必要となる放電成形の専用の水槽と電極、および、対象の銅薄板と放電成形で使用する精製水の使用額が次年度使用額として生じた。次年度使用額と翌年度分として請求した助成金を用いて、樹脂型利用マイクロバブル活用放電成形の実証実験を行い、本放電成形の確立の研究を遂行する。
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