2021 Fiscal Year Annual Research Report
複合モデル型プロセス表現を基にした加工事例の共有と利用による切削加工の精度保証
Project/Area Number |
19K04119
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Research Institution | Muroran Institute of Technology |
Principal Investigator |
寺本 孝司 室蘭工業大学, 大学院工学研究科, 教授 (40252605)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | エンドミル加工 / 誤差要因推定 / 加工シーケンス |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は加工誤差に関する事例共有により精度保証を行うことを目的としており,2021年度は加工後の計測結果を基にした誤差原因の推定について実験的に検討した.具体的には,加工結果を計測した加工誤差情報に対して,異なる加工プロセスモデルでの予測結果を比較し,計測結果を最もよく説明するモデルを選択することで,支配的な加工誤差要因を抽出できることを明らかにした.まず,ポケット加工における加工誤差が加工順序に影響を受けており,計測結果を基に適切な手順での加工が実施されているかどうかを判定することが可能であることが分かった.また,加工準備段階でのハンマリングの有無や位置決め誤差などについても実際の加工でどの程度影響があるのかを検証した.また,工作物把持による加工誤差を適切に推定するためには,加工中に低下する工作物剛性の影響を考慮した変形解析が不可欠であることが明らかになったため,加工中の工作物把持力低下のモデル化が必要になり切削加工の進展による工作物把持力低下モデルの構築を行い,国際会議にて成果を発表した.以上の成果を基に加工後の誤差計測情報を基に,支配的な誤差要因について推定することが可能であることを示した. この研究に付随して,加工中における工具近傍での工作物変位などの計測が困難な状態量を,計測可能な情報から推定する手法についても検討し,統計的モデリングが有効であることも明らかにした.この結果については投稿論文として採択された.
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