2019 Fiscal Year Research-status Report
Development of the roughening processing technology in the metal surface for precise device which used electrolyzed oxidizing water
Project/Area Number |
19K04124
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
佐藤 運海 信州大学, 学術研究院教育学系, 教授 (30345730)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 電解酸化水 / 電解還元水 / 溶存酸素 / 溶存塩素 / 超音波併用 / 改質処理 / 銅合金 / ニッケル合金 |
Outline of Annual Research Achievements |
この期間の中では,おもにNaCl電解水およびNa2SO4電解水の特性値に及ぼす生成方法および超音波の照射の影響について実験検討を行った.その結果,電解酸化水は電解電流値が大きいほど,pH値が小さく,溶存酸素濃度,溶存塩素濃度が高くなり,電解還元水はpH値が大きく,溶存水素濃度が高く,溶存酸素濃度が低くなる.また,超音波を照射するとき,30分間の低周波数の超音波(38kHz)照射により,電解酸化水中の溶存酸素濃度が高く,酸化還元電位も大きなる.pH値などのその他の特性は大きな変化がない. 電解酸化水をリードフレーム用銅ニッケル合金の表面酸化被膜除去および粗化処理に応用する研究を行った.Na2SO4電解酸化水はH2SO4溶液比べ,酸化被膜除去および粗化性能に優れている. Na2SO4電解酸化水を45パーマロイ材研磨面(Fe-45mass%Ni)の表面粗化処理に応用した研究を行った.浸漬処理のみの場合と比べ,超音波を併用した場合,加熱処理前後の試料片表面をより均一に粗化処理できる結果を得た.また,Na2SO4電解酸化水の生成から一週間以内であれば,ほぼ経過時間と関係なく粗化機能が優れている. Na2SO4電解還元水を純アルミニウム表面のエッチング加工に応用する研究を行った.Na2SO4電解還元水は同pH値を有するNaOH溶液と比べ,エッチング作用が1.5倍で強い. 以上の研究によって,低周波の超音波を照射するとき,電解水の特性を明らかにし,銅ニッケル合金,アルミニウムの表面に対する影響を解明した.これから,超音波の周波数を変えて,検討を行い,また,無酸素銅材および純ニッケル,ニッケル合金の表面改質処理に応用する研究を行う予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
電解水の特性値に及ぼす生成条件および超音波併用の影響について,基本特性値であるpH値,ORP値,EC値および溶存酸素濃度,溶存塩素濃度などについてほぼ解明した.特に,超音波を照射すると,溶存酸素濃度が高くなる優れた結果を得た.超音波の周波数については,低周波38kHzの照射実験は終了した.また,電解酸化水中の酸素ナノバブルの測定評価も終了した. 金属試料片表面の改質処理に応用する研究については,無酸素銅材および銅合金については検討を行っているが,その中の一部分の成果をまとめて,学会に投稿し,既に掲載された.45パーマロイ材の表面粗化処理についても同様に学術論文として掲載された. 純アルミニウム圧延表面に対するエッチング加工については,研究を進行しているが,一部分成果は投稿中である.
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Strategy for Future Research Activity |
NaCl電解水およびNa2SO4電解水の特性値に及ぼす中周波数(200kHz,400kHz)および高周波数(1000kHz,1500kHz)の超音波の影響について,解明してく予定である.電解水生成装置の整備および超音波発振器は既に揃えてある.また,電解酸化水中の酸素ナノバブルの密度の測定および評価方法についても検討を行っている. 金属表面の改質処理への電解水の応用については,無酸素銅材の圧延表面および研磨面,純ニッケル材の圧延表面および研磨面,更にその合金などの試料片は既に用意してあり,評価,測定などの研究環境も整備してあるため,計画通りに進めることができると考えている. その他については,先端材料であるAlNなどのセラミックス材料の表面加工および改質処理についても検討を行う予定である.
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Causes of Carryover |
R1年度の物品購入の都合により,少し(1138円が残ったが,R2年度の助成金と合わせて,実験用品を購入する予定である.
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